...大抵は三度目に靡(なび)いてしまふ...
芥川龍之介 「好色」
...春風に靡(なび)く青柳の糸の如し...
石井研堂 「大利根の大物釣」
...千里の夏草が皆靡(なび)く...
石川啄木 「菊池君」
...気永に靡(なび)くのを待っていたが...
泉鏡花 「活人形」
...はては靡(なび)き流れて...
薄田泣菫 「木犀の香」
...旗を靡かし箭を飛ばす...
太宰治 「右大臣実朝」
...愛宕から北山にかけて秋の白き雲が靡き...
田山花袋 「道綱の母」
...それが秋の末に一夜そつと眞白な霜が天からおりたら理窟はなしにぐつたりと靡いてしまつたのである...
長塚節 「芋掘り」
...半死(はんし)の状態(じやうたい)を呈(てい)した草木(さうもく)は皆(みな)白髮(はくはつ)に變(へん)じて其(そ)の力(ちから)ない葉先(はさき)を秋風(あきかぜ)に吹(ふ)き靡(なび)かされた...
長塚節 「土」
...襟から肩へサッと靡(なび)きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その鼻の先へ白刃(はくじん)がスーッと靡(なび)くと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酒精(アルコール)臭い淫靡(いんび)な声が筒抜けに聴えます...
野村胡堂 「死の舞踏」
...その颱風の去った方向に稲の穂は悉(ことごと)く靡(なび)き...
原民喜 「廃墟から」
...時々其処らの草むしり迄やらされて萎靡(がっかり)する事もある...
二葉亭四迷 「平凡」
...再び恐ろしい勢で社会を風靡していたことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それがあの当時の人心を風靡(ふうび)したのも...
柳田国男 「木綿以前の事」
...ついに昭和の今日になって石原慎太郎氏の「太陽の季節」一編に一世を風靡(ふうび)されるなどの珍現象を呈したものか...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...一種の道教が風靡(ふうび)していた...
吉川英治 「三国志」
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