...赤く火先(ほさき)を靡(なび)かせながら...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...草木と共に靡きし關八州(くわんはつしう)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...蘆荻が見わたすかぎり風に靡いている...
種田山頭火 「四国遍路日記」
...霞の被衣(ひい)のやうにほのかに靡く春に――...
田山録弥 「不思議な鳥」
...愛宕の山の上に白くふわふわと靡いてゐる一片の雲に心を惹かれたりするのか...
田山花袋 「道綱の母」
...お宮の心は私に靡(なび)いていないまでも...
近松秋江 「うつり香」
...文壇は萎靡しがちである...
豊島与志雄 「野に声なし」
...其日散歩に出て見た時浜で搗布(かちめ)を焼いて居る煙が重相に靡いて居た...
長塚節 「隣室の客」
...女の手がこの蓋にかかったとき「あら蜘蛛(くも)が」と云うて長い袖(そで)が横に靡(なび)く...
夏目漱石 「一夜」
...白く右へ靡(なび)いた頃から...
夏目漱石 「二百十日」
...当時世界を風靡(ふうび)したワグナー主義の運動は...
野村胡堂 「楽聖物語」
...一世を風靡(ふうび)したワグナーの影響にも外に立って...
野村胡堂 「楽聖物語」
...雲が旗のやうに靡きたるを見て旗雲といふ熟語をこしらえ...
正岡子規 「萬葉集を讀む」
...スポーツアルピニズムは登山界を風靡(ふうび)している...
松濤明 「ピークハンティングに帰れ」
...烈風に叩かれて横さまに靡き...
山本周五郎 「柳橋物語」
...ジヤズとかデカダンの風靡した時代で...
吉川英治 「折々の記」
...その煙は僅に傾いて我等のいる方角に靡いているのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...わがやどの尾花押し靡(な)べ((み))置く露に手触れ吾妹子(わぎもこ)ちらまくも見む (巻十...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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