...かたがた広子は安楽椅子の背に西洋髪(せいようがみ)の頭を靠(もた)せたまま...
芥川龍之介 「春」
...二人は鋼線(はりがね)を太い繩にした欄干に靠(もた)れて西日を背に受け乍ら...
石川啄木 「鳥影」
...藁束に身を靠(もた)せかけたままいつか心持が重くなってついうとうと転寝(うたたね)の夢に入るような事さえもあった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...窓に靠(もた)れて凝乎(じっ)と...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...映写中の森閑(ひっそり)とした休憩室に少年と肩を並べて靠(もた)れていると...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...彼女の膝(ひざ)に靠(もた)れかゝるような姿勢を取った...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...舞臺の手すりに靠(もた)れながら...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...もう胸のあたりへ靠(もた)れかかって来て...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...二人共に斑(ふ)入(い)りの大理石の欄干に身を靠(もた)せて...
夏目漱石 「幻影の盾」
...互に靠(もた)れ合って身体(からだ)を支えるごとくに...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...半(なか)ば柱に身を靠(も)たせたお延が...
夏目漱石 「明暗」
...松葉杖(まつばづえ)に靠(もた)れたまま汗(あせ)を拭(ふ)いている...
堀辰雄 「美しい村」
...それに靠(もたれ)れかかった...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...細木夫人は自分が一人の見知らない青年の腕にほとんど靠れかかつてゐるのに...
堀辰雄 「聖家族」
...そうして籐椅子に靠(もた)れながら...
堀辰雄 「晩夏」
...その痩せた前肢を白金色の窓枠に靠せながら...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「「マルテ・ロオリッツ・ブリッゲの手記」から」
...体を靠(もた)せて休むだけの固い物もありません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...靠れかかったルミを...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
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