...自我を捨てて非我を立することを奉仕と解するは非常なる誤解である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...心底に冬眠す◆五月五日発行『氷原』二十号喜多 一児何物の二に割り出せし雄と雌ニッケルの主観ゆがんだ風景フイルムの尽くれば白き幕となり地図描く刹那も怒濤岸を噛む滅無とは非我の認識なりしよなトタン屋根さんらんとして陽の乱舞波...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...そこで初めて非我との対立を解消して自我本来の面目に到着する...
戸坂潤 「辞典」
...かりにこれを非我と名づけます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...一は非我が主、我が賓(ひん)という態度で、一は我が主、非我が賓と云う態度とも云えます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...この色とこの音は同一体の非我が兼ね有していると云う事実には比較的無頓着(むとんじゃく)でいられます...
夏目漱石 「創作家の態度」
...つまり非我の世界を支配する器械的法則が我の気分に応じて働いてはくれません...
夏目漱石 「創作家の態度」
...非我の世界にこれに相応する形相を発見しもしくは想像する事ができますが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...客観的なる非我の世界に見出そうとすると十の気分を一の形相で代表させて...
夏目漱石 「創作家の態度」
...要するに象徴として使うものは非我の世界中のものかも知れませんが...
夏目漱石 「創作家の態度」
...いずれも非我の世界における(冒頭に説明したごとく我も非我と見傚(みな)す事ができますが)ある関係を明かにする用を務めております...
夏目漱石 「創作家の態度」
...この無形無臭の情操に相応するような非我の事相を創設するのであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...非我の記憶は「冷感」であり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...常に非我(客観)と思惟(しい)されるから...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...非我は他我即ち他の人間でなくて物の世界のことであった...
三木清 「哲学入門」
...ライプニツにおいてはそこにあるすべてのものは非我である...
三木清 「認識論」
...自我がみずからの抵抗として定立する非我もなおかつ観念的なる性格を失うことがない...
三木清 「マルクス主義と唯物論」
...長槍(ちやうそう)大劍(たいけん)非我事(わがことにあらず)把レ毫(ふでをとつて)欲レ報(むくはんとほつす)聖明君(しやうめいのきみ)と云ふのがあるが...
吉川英治 「折々の記」
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