...何もかも投げ出すような強い非情な心のすぐその裏に...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...人間の屑(くず)どもの上に平然たる顔をそばだててる非情な自然の中にはいり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...御覧の通り紐は細くて丈夫で六尺もあるし、一端を向う側の棒に結んで置けば、相手に目を覚させずに細工が出来ます、実際、臆病で、非情な悪人の、考え出しそうな、うまい方法ではありませんか」「…………」花房一郎の説明を聴いて、あまりの恐ろしさに、美保子はヨロヨロと継母の腕に倒れかけました...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...冷酷非情な貴公子から駆け出しの放蕩者との遊びに...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...非情なまでに折目正しい...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...あさひは非情なほど冷静で...
久生十蘭 「虹の橋」
...非情な方だと思っていましたが...
久生十蘭 「肌色の月」
...何と非情なお言いよう...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...途方もない非情な言葉を放つてしまつた...
牧野信一 「浪曼的月評」
...このような非情な...
横光利一 「上海」
...どんなに着実非情な実証主義者といえども...
「純粋小説論」
...初めて“非情な世の粗土(あらつち)”というものに...
吉川英治 「私本太平記」
...いや後ろへ連れてきた母子(ふたり)に代り、非情な父、非情な男の、仕打ちを責めるかのようだ...
吉川英治 「私本太平記」
...世はあげて非情な時代だったのだ...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...そしてそんな非情な人心によってつくり出された次の“建武の中興”が...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...こんなさい国家と国家の垣に立って理クツをいっている非情な管理人があるとすれば非情すぎる...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...歴史は非情なほど後人へものを語るに冷厳である...
吉川英治 「随筆 新平家」
...非情なる歴史をおたがいの中にくり返さぬようにするしかない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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