...私は非人情的に生きる外ない...
種田山頭火 「其中日記」
...この非人情な「図式空間」と「図式空間」とのカットの切断面が大衆の歴史的主体的意欲を撃発するともいえるのである...
中井正一 「美学入門」
...思い出こもりて断ちがたきがらくたは四人の非人情な手でさっさと防空ごうに投げこまれ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...すこしの間(ま)でも非人情(ひにんじょう)の天地に逍遥(しょうよう)したいからの願(ねがい)...
夏目漱石 「草枕」
...非人情のやりついでに...
夏目漱石 「草枕」
...非人情な惚れ方をするんです...
夏目漱石 「草枕」
...非人情で」これも一興(いっきょう)だろうと思ったから...
夏目漱石 「草枕」
...……」「あんまり非人情でもないようですね」「なにこれが非人情的に聞けるのですよ...
夏目漱石 「草枕」
...「非人情ですよ」と女はたちまち坐住居(いずまい)を正しながら屹(きっ)と云う...
夏目漱石 「草枕」
...こうは動けませんよ」「ホホホホ大変非人情が御好きだこと」「あなた...
夏目漱石 「草枕」
...その一万人はことごとく理非人情(りひにんじょう)を解しない畜類の発達した化物とのみ思い詰めたこの時...
夏目漱石 「坑夫」
...こんなに非人情な筈はないやうに思へるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...例のとおり、非人情、冷酷な眼つきをしているが、見るからに憐れを催すほどひどく憔悴(しょうすい)し、シャツもズボンもズタズタに裂け、ところどころに、とっぷりと血の斑をつけていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...約(つづ)めて申しますなら、酷薄非人情、鬼畜の如くに目されて来たこの真名古も畢竟一個の人間であったという儔(たぐ)いない発見によることなのであります...
久生十蘭 「魔都」
...樽野は屡々(それは主に彼の家族を考へた時に)彼に、前述の如く、非人情性とか、醜い漁色癖とか! などといふ形容詞を冠せて義憤を抱いたが、それは樽野のほんの少々ばかり持つてゐる平凡な正義感情の場合だけで、確かに何かのためには(斯う力を籠めて考へるのが樽野の可笑しな癖だ...
牧野信一 「円卓子での話」
...「何故(なぜ)?………俺(おれ)だツて其樣(そん)なに非人情(ひにんじやう)に出來てゐる人間ぢやないぞ...
三島霜川 「青い顏」
...非人情というような...
横光利一 「夜の靴」
...我々は非人情を呼ぶ声の裏にあふれ過ぎる人情のある事を忘れてはならない...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
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