...その向うには一望涯(はて)しもない青海原が渺々(びょうびょう)たる紺碧(こんぺき)を拡げていた...
橘外男 「逗子物語」
...そこは漂渺(ひょうびょう)たる青海原(あおうなばら)が...
徳田秋声 「仮装人物」
...見渡す限りの青海原(あおうなばら)で...
中里介山 「大菩薩峠」
...空や波なる青海原とても...
樋口一葉 「花ごもり」
...地底の青海原に乗り出す...
久生十蘭 「地底獣国」
...残念この上なく元の青海原に没してしまいました...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...今は一面の青海原...
二葉亭四迷 「浮雲」
...……あの青海原を悠々と泳げ廻れたらどんなに愉快なことだらう! 来年こそは屹度上達して...
牧野信一 「秋晴れの日」
...渺茫たる青海原が陽春の日の下に凪ぎ渡る……間もなく彼の肉体はその喜びだけで充満する――「一時も早く彼の海辺へ走らう...
牧野信一 「坂道の孤独参昧」
...隈なき月の光りで青海原のやうに畳々とした畑の中を奴等はスイスイと...
牧野信一 「バラルダ物語」
...あたりは再び動くものゝ影だに見へぬ渺々とした青海原であつた...
牧野信一 「バラルダ物語」
...何うしても見境のつかない小舟が点々として落葉のやうに青海原に散つてゐた...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...青海原を蓼醋とみなしてそれに云いかけた洒落であろうと思うが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...青海原(あおうなばら)沖さけ見ればあらしほを空にいぶきて鯨浮べり「雨とふらせて」「雲かかる」の二句を除きたるは至極賛成なるが...
正岡子規 「人々に答ふ」
...私の心の中には異常に凄壮(せいさう)な大きい青海原(あをうなばら)が見え初めた...
松永延造 「アリア人の孤独」
...7205青海原のほとりへ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...ただあの茫洋(ぼうよう)たる青海原(あおうなばら)に突き進み...
柳田国男 「海上の道」
...そこで眼ざす鯖の群れが青海原に見えて来ると...
夢野久作 「爆弾太平記」
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