...幸福な人は青々と滿ち溢れてゐる...
千家元麿 「自分は見た」
...信州の山々は今はちょうど青々と茂り合っていて...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...ねぎや大根が至るところに青々として...
寺田寅彦 「写生紀行」
...青々とした裾野につゞく十勝の大平野を何處までもずうと走つて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...青々とした高い空だった...
豊島与志雄 「丘の上」
...青々とした草や木や...
豊島与志雄 「旅人の言」
...青々とうち晴れた大空ばかりになりました...
豊島与志雄 「天狗笑」
...そのためからりとした庭に苔(こけ)がめずらしく青々として...
中勘助 「胆石」
...初夏の空美しく晴れ崖の雑草に青々とした芽が萠(も)え出(い)で四辺(あたり)の木立に若葉の緑が滴(したた)る頃には...
永井荷風 「日和下駄」
...滅多なことを言っておくれでない」後ろから袖を押えるように、続いて庭先に出たのは、三十を少し越したかと思う、美しい年増、襟の掛った袢纏(はんてん)を引っかけて、眉の跡青々と、紅を含んだような唇が、物を言う毎に妙になまめきます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狭い金網の中にも青々と雑草が繁っていて...
林芙美子 「新生の門」
...ついに青々とした畑が芝生や生垣(いけがき)になり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...雪道を葉の青々と黄色い花をつけた春の菜種の花をもってかえりながら...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...赤いつつじが咲いて楓の葉が青々とした下へ...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...云っておられた」「すると身をすてるつもりだ」千吉郎は濃い髭(ひげ)の剃(そ)りあとの青々とした顎(あご)をぎゅっと噛み合せた...
山本周五郎 「新潮記」
...青々と街底の道路の上で開いていた...
横光利一 「街の底」
...切り岸のやうな山の上には青々とした杉の林があり...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
...もう見るものが青々として病気なんか癒(なお)ってしまったようだ――だけどまあこの際ゆっくり休んでやるんだ...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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