...川ぞいにはおりしも夏ですから葦(あし)が青々とすずしくしげっていました...
有島武郎 「燕と王子」
...ここは青々としていて...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「旅の仲間」
...弔いの人に踏まれたらしいがなお茎立って青々として居る...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...庭田恒吉方の杉林をはじめ附近一帯の杉林が未だ去年の夏までは青々とした繁りを見せていたのに...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...海は水平線までも青々として日に照され...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...津軽海峡の青々とした一帯の秋潮(しゅうちょう)を隔てゝ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...この松葉が拂はれて箒目の行き屆いた朝芝の青々としたのを見れば全く生命のないものでもない...
長塚節 「我が庭」
...背戸川の堤の上に青々と繁つて高く突き立つて居る椋の木に登つて...
新美南吉 「椋の實の思出」
...薄情な劉さん思ひ切つて――悲しいけれど捨てませうベンチの上に青々と月がさしたら泣くでせうわたしの顔を屹度眺めて泣くでせう劉さん劉さんその時のわたしの心はどんなでせう磯の上親恋しがりの子雀よ親が恋しく海へ来たのか海へはいつて蛤に化(な)つて了つた親雀はお前のことはもう忘れてゐるぞ幾ら待つてゐても元の親には逢はれないのだ帰れ...
野口雨情 「都会と田園」
...眉の跡青々と妙に淋しく細(ほっそ)りしておりますが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紫陽花(あじさい)色の単衣、青々とした眉、そして抜けるほど白い顔の色――糸切歯が一本欠けて、笑わなくとも片えくぼの寄る豊かな頬――この女の魅力は全くこの世のものとも思えぬ幽玄なものでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...髯(ひげ)の跡の青々とした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...青々と茹(ゆ)でピーナツバタに和(あ)えてパンに挟む...
林芙美子 「朝御飯」
...剃(そ)りたての襟筋が青々としてゐた...
林芙美子 「浮雲」
...夏は青々と無花果が垣に茂り...
正岡容 「わが寄席青春録」
...シグナルの白い胸(むね)に青々と落ちた眼鏡(めがね)の影(かげ)をチラッと見て...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...青々と街底の道路の上で開いていた...
横光利一 「街の底」
...一そう青々とかがやいている頭へちょっと手をやって...
吉川英治 「私本太平記」
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