...川ぞいにはおりしも夏ですから葦(あし)が青々とすずしくしげっていました...
有島武郎 「燕と王子」
...海面は波立たずに青々としていようとも...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...(十一月二十三日)星夜ハガキを出しに子供を抱いて往來に出た郵便局の屋根の向ふの暗闇の底から星が一つ青々と炎えて自分の胸に光りをともした自分は優しい力を感じた...
千家元麿 「自分は見た」
...そして空も海もただ眼に入る限りは青々とした一色の中に...
橘外男 「逗子物語」
...庭の先は青々とした木の枝が重つてゐて...
田中貢太郎 「雑木林の中」
...木製の朝顔に青々とした杉の葉を詰めたのは...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...日曜日の空は青々と晴れていましたが...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...松や杉は青々とした葉の下に黄ばんだ古葉(ふるは)を簇々(むらむら)と垂(た)れて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...芝草(しばくさ)が青々とのびだしています...
豊島与志雄 「風ばか」
...青々とした眉の跡...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この朝の青々とした空気を吸うと...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...その右手には、短刀がにぎられ、左腕には、肩から二の腕にかけて、昇り龍の彫青が、青々と、浮きあがっていた...
火野葦平 「花と龍」
...しかし空は青々と...
柳宗悦 「思い出す職人」
...青々と暮れ悩んでいた...
夢野久作 「髪切虫」
...青々と乱れた頭髪が...
夢野久作 「巡査辞職」
...折からヴェルダンの中空に辷り昇った強力な照明弾が、向い合った味方同志の兵士の行列を、あく迄も青々と、透きとおる程悽惨に照し出した...
夢野久作 「戦場」
...まだ青々としたインキの匂いがしているだろう...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...それは青々とした海原の風であった...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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