...しかし今は貧乏なりに兎(と)に角(かく)露命を繋(つな)いでゐる...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...いままではほかの食堂で露命(ろめい)をつないでいたのであるが...
海野十三 「金属人間」
...以てあやうく露命をつなぐを得ているという身の上に違いないのであるから...
太宰治 「親友交歓」
...莫斯科(モスコウ)に近づくにつれてだんだん皿とフォウクだけになってしまうし――とにかく欧羅巴(ヨーロッパ)へ行きつくまで何とかして露命をつなぎ...
谷譲次 「踊る地平線」
...辛ウジテ露命ヲツナイデルノサ」「ソンナコトガアルモンデスカ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...売卜(ばいぼく)をしたりして露命を行人の合力(ごうりき)によって繋ぎつつ...
中里介山 「大菩薩峠」
...現に科学者哲学者などは直接世間と取引しては食って行けないからたいていは政府の保護の下に大学教授とか何とかいう役になってやっと露命をつないでいる...
夏目漱石 「道楽と職業」
...富岡はそれでやつと露命をつないだ...
林芙美子 「浮雲」
...ようやく露命をつないでいるという惨状なんです...
久生十蘭 「魔都」
...人々はただ露命をつなぐだけのものを得んがために働くこととなり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...半熟(はんじゆく)の卵と牛乳で辛而(やつと)露命(ろめい)を繋(つな)いでゐる弱虫だ...
三島霜川 「青い顏」
...タンポポの根なぞを掘って来て露命を繋いでいたというのだから驚く...
夢野久作 「近世快人伝」
...とうとう沓売りや蓆織りを生業(なりわい)としてからくも露命をつなぐまでに落ちぶれ果てていたのであった...
吉川英治 「三国志」
...これらの物で露命をつないでいた日のことを我れ人ともにもう忘れかけている...
吉川英治 「私本太平記」
...きょうの露命はつないでいたが...
吉川英治 「新書太閤記」
...ただ露命を保たせておけばいいとしているに過ぎない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...母子(おやこ)二人の露命をつないでいたもので――と平蜘蛛(ひらぐも)のようにあやまりぬくのであった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...露命をつないだ馬の沓の恩は忘れそうじゃと...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??