...露西亞人――といふ廣漠たる背景を考ふることなしには...
石川啄木 「所謂今度の事」
...その代りに露西亜(ロシア)も西比利亜(シベリア)を閉ざすということは甚(はなは)だ宜くない...
大隈重信 「東亜の平和を論ず」
...露店というのは、もとは縁日(えんにち)だけのもので(この縁日目当ての露店を、テキヤの符牒(ふちょう)でホーヘーと言う)、テキヤの親分の何々一家にはいらないと商売ができなかったものだ...
高見順 「いやな感じ」
...この昭和八年の銀座のいつもの正常の露店の間に交じって言葉どおりに異彩を放っていた...
寺田寅彦 「試験管」
...人烟(じんえん)稀薄(きはく)な武蔵野の露骨(ろこつ)な寒さを想い見ることが出来ぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...実に露国の北辺を侵擾したるに拠る...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...さわさわと露に揺れる丈(たけ)高い草を刈り取っている女の姿を見た...
原民喜 「秋日記」
...裏口から露路伝いに吉野橋まで抜けられるというから...
久生十蘭 「魔都」
...三人の子供らは母がそんなひどい死にかたをしたことは露ほども知らなかった...
久生十蘭 「無月物語」
...日露戦争は、日本の勝利に終った...
火野葦平 「花と龍」
...室内の場面すっかり終ると、露路で、スモークを焚かれて、咳は出る眼は痛い、ひどい目にあひつゝ午前八時すぎに、アガリ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...三つ四つの露路を何うして越えて来たのか...
牧野信一 「日本橋」
...最後に水汲みに来た少女を捉(と)り懸りて露(あら)われ殺された由見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...それも吾身は露いとわねど...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...どうやら露地から往来の方へ逃げ失せてしまった様子...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そこの暗い壁の露地に...
吉川英治 「宮本武蔵」
...朝露に濡れていた...
吉川英治 「山浦清麿」
...連れて来た二三人の中に今日初めて披露目をしたという女がいた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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