...霜枯れ時だのに、美しい常磐木(ときわぎ)の緑と、青玉のような水の色とが古びた家の黄や赤や茶によくうつります...
寺田寅彦 「先生への通信」
...宅(うち)の庭には何もなくなった霜枯れ時分にここへ来ると生まれかわったようにいい心持ちがする...
寺田寅彦 「丸善と三越」
...念のために皆んなの顔色でも見て来るがいい――こんな霜枯れ時には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ついこの間までは大きな鯉が悠々と泳いでゐたが樽野が悉く売り払つてしまつたので泉水は霜枯れ時の運動場のやうに静かで...
牧野信一 「村のストア派」
...ちょうど霜枯れ時の庭の植え込みが描(か)いた絵のようによくて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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