...津波のような音をたてて風のこもる霜枯れの防風林には烏(からす)もいなかった...
有島武郎 「カインの末裔」
...あたりの霜枯れにいく匹もイナゴがしがみついてまだ死なずにいる...
伊藤左千夫 「落穂」
...庭には霜枯れのした菊のあるのが破れた垣の間からちらついて...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...二本三銭の梅が咲きはじめた・明日はお正月の数の子まで貰つた・ぐるりとまはつてまたひとりになる霜枯れの菊の枯れざま・霜の大地へコマぶつつける洟垂息子の独馬(マヽ)は強いな降つてきたのは煤だつた畠の葉ぼたんのよう売れてさみしくなる夕ざれは豆腐屋の笛もなつかしく十二月卅一日曇つて寒い...
種田山頭火 「行乞記」
...・霜枯れの菜葉畑も春がうごいてゐる雨・ここでもそこでも筵織る音のあたゝかい雨二月六日晴...
種田山頭火 「其中日記」
...猪苗代(いなわしろ)湖畔(こはん)の霜枯れを圧する磐梯山(ばんだいさん)のすさまじき雪の姿を仰ぎつつ郡山(こおりやま)へ...
寺田寅彦 「柿の種」
...川端の榎(えのき)の霜枯れの色が実に美しい...
寺田寅彦 「高知がえり」
...反魂香(はんごんかう)の黄や澤桔梗の紫や其他名を知らぬ草花が霜枯れかゝつた草を彩どつて居る...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...霜枯れの葉が震えてる木の梢や...
豊島与志雄 「微笑」
...葦はまだ霜枯れておらず...
豊島与志雄 「ものの影」
...霜枯れの頃になると...
豊島与志雄 「湯元の秋」
...まだ苗であった秋花は霜枯れた其茎さえ悉く刈去られて切株を残すばかりとなっていた...
永井荷風 「百花園」
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野口雨情 「雨情民謡百篇」
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野口雨情 「おさんだいしよさま」
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野口雨情 「沙上の夢」
...霜枯れのした柳の並木は剣光帽影(けんくわうばうえい)で取囲まれて居る...
平出修 「畜生道」
...霜枯れた草を吹きたおしていた...
本庄陸男 「石狩川」
...霜枯れた衣服の下で凍った靴に...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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