...薄綿はのばし兼ねたる霜夜かな...
芥川龍之介 「霜夜」
...六 霜夜霜夜(しもよ)の記憶の一つ...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...百千網(ももちあみ)巷巷(ちまたちまた)に空車行く音もなくあはれ、今、都大路に、大真夏光動かぬ寂寞(せきばく)よ、霜夜の如く、百万の心を圧せり...
石川啄木 「詩」
...冴えた霜夜(しもよ)であつた...
武田麟太郎 「反逆の呂律」
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鶴彬 「鶴彬全川柳」
...自分をのせた電車はもう水道橋(すいどうばし)を越えて霜夜の北の空に向かって走っていた...
寺田寅彦 「青衣童女像」
...凍結した霜夜の街を駆け行く人力車の車輪の音――またゴム輪のはまっていなかった車輪が凍(い)てた夜の土と砂利を噛む音は昭和の今日ではもうめったに聞くことの出来ないものになってしまった...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...霜夜(しもよ)の星(ほし)がキラ/\光って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
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野口雨情 「沙上の夢」
...寒いぞ 寒いぞ霜夜の 篠やぶ...
野口雨情 「未刊童謡」
...霜夜の 篠やぶザクリ ザツクリ...
野口雨情 「未刊童謡」
...むざんや口角より血をしたたらし、合掌し、瞑目し、むざんや天上に縊れたるものの、光る松が枝に靈魂はかけられ、霜夜の空に、凍れる、凍れる...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...湯がえりの下駄の歯がカラカラ鳴って、星が光る霜夜に、「ま、め――煎(い)りたてま、め――」と火をぱたぱた煽(あお)ぐ音をさせたり、「いなりさん――」と、十軒店(じっけんだな)の治郎さんの、稲荷鮨(いなりずし)が流してくるようにならなければ、おでんやや、蠑螺(さざい)の壺焼(つぼやき)やも出なかった...
長谷川時雨 「鉄くそぶとり」
...四隣(あたり)に物おと絶えたるに霜夜の犬の長吠(とほゞ)えすごく...
樋口一葉 「軒もる月」
...更(さら)に霜夜(しもよ)の御憐(おあは)れみ...
樋口一葉 「われから」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...或いは星くずが霜夜のダンスでとびはね...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...霜夜の庭の素むしろに坐らされて...
吉川英治 「私本太平記」
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