...――ある霜曇(しもぐも)りの朝だった...
芥川龍之介 「寒さ」
...――霜が降りた...
石川欣一 「山を思う」
...あたりの霜枯れにいく匹もイナゴがしがみついてまだ死なずにいる...
伊藤左千夫 「落穂」
...およそ九月の半(なかば)より霜を置(おき)て寒気次第(しだい)に烈(はげし)く...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...此上は不束ものでございますが何うか幾久しくお見棄てないやうに照の一身はお頼み申します」さう言つてお霜婆さんが頭を下げた時春三郎も頭を下げた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...霜のとけるほどあたゝかい...
種田山頭火 「其中日記」
...既にいくたびか霜に見舞われたと見え...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...霜が岩石にも、離々たる枯草にも、厚く置き、満山の落木の梢は、樹氷の化粧がきらびやかにほどこされている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...霜柱と同じ成因からなる氷の層が...
中谷宇吉郎 「泥炭地双話」
...外套(がいとう)は判切(はっきり)霜降(しもふり)とは見分けられなかったが...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...霜(しも)と泥(どろ)に汚(よご)れた儘(まゝ)宗助(そうすけ)は勝手口(かつてぐち)迄(まで)持(も)つて來(き)た...
夏目漱石 「門」
...乳母のお霜も、母の君も、生きて居る心持もしない――と手紙を添へました、惡かつたでせうか」「構やしません、で、見張りは?」「矢張り付けませんでした」「手引か仲間が家の中に居るから、見張りを付けても何にもなりませんよ、金を遠方へ持出させずに、裏口の土臺下へ置かせたのは、曲者の喰へないところで――」平次はそんな事を言つて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...酢えたる菊その菊は酢えその菊はいたみしたたるあはれあれ霜月はじめわがぷらちなの手はしなへするどく指をとがらして菊をつまんとねがふよりその菊をばつむことなかれとてかがやく天の一方に菊は病み酢えたる菊はいたみたる...
萩原朔太郎 「蝶を夢む」
...垣の菊は霜にいたんで...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...大路(おほぢ)の霜に月氷(こほ)りて...
樋口一葉 「軒もる月」
...朝旅宿を立ったのは霜の朝であった...
森鴎外 「サフラン」
...霜のおりることも少なくなり...
山本周五郎 「ちゃん」
...先に立ってその荒い霜を落しながら歩いていた老案内者は不意に径からそれて傍の雑木の中に入って行った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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