...死とはあらゆる人間の虚栄をとかす霜解けである...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...切り下げにした厚い黒漆(こくしつ)の髪(かみ)の毛の下にのぞき出した耳たぶは霜焼けでもしたように赤くなって...
有島武郎 「或る女」
...○ 雪霜前(まへ)にもしば/\いへるごとく...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...そのうちに朝な/\霜がおくやうになつた...
相馬泰三 「夢」
...お霜婆さんは兎も角二人を表向の夫婦にして「目出度い/\」と盃を下に置いた時ほつと息を吐いた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...つい/\と黄の走りつつ枯芒(かれすすき)風の夜の灯(ともしび)うつる水溜(みずたまり)十一月十九日 下山霜山招宴...
高浜虚子 「六百句」
...バケツの水が初氷となつてゐた、いはゆる霜日和、ふとんや何やかや干す...
種田山頭火 「其中日記」
...雪と窓ガラスの霜の花をとおしてさしこんだ冬の太陽が...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「少年たち」
...霜枯れた草原に、野生(やせい)松葉独活(アスパラガス)の実(み)が紅玉を鏤(ちりば)めて居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...何という図太さだ! 何という「働く者」の図太さだ黄色い朝暾(あさひ)のなかに音をたてて崩れてゆく足許(あしもと)の霜柱(しもばしら)をみつめながら...
徳永直 「冬枯れ」
...山牛蒡(やまごぼう)の葉と茎とその実との霜に染められた臙脂(えんじ)の色のうつくしさは...
永井荷風 「葛飾土産」
...枝(えだ)へ掛(か)けた大根(だいこ)の葉(は)からも霜(しも)が解(と)けて雫(しづく)がまだぽたり/\と垂(た)れて居(ゐ)る...
長塚節 「土」
...庭の苔(こけ)を残酷に地面から引き剥(はが)す霜(しも)が一面に降っていた...
夏目漱石 「行人」
...この北に向へる場末の窓窓そは黒く煤にとざせよ日はや霜にくれて荷車巷路に多く通る...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...二葉(ば)の新芽(しんめ)に雪霜(ゆきしも)のふりかゝりて...
一葉女史 「ゆく雲」
...幾星霜(いくせいそう)を重ねました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...露営の天幕(テント)には、夜の霜が降りた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...昼も消えぬ霜の蘆荻(ろてき)の白々とした上に...
吉川英治 「平の将門」
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