...霜の下りた家々の屋根へ...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...霜(しも)のおりた...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「雪の女王」
...霜も降るべく鋼鐵色に冴えた空には白々と天の河が横はつた...
石川啄木 「赤痢」
...五十四家へ歸つて見ると秀子は赤い鼻緒の下駄をくゝりつけてお霜婆さんに手を引かれ乍ら嬉々として表を歩いてゐた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...大霜だつた、かなり冷たかつた、それだけうらゝかな日だつた、うらゝかすぎる一日だつた、ゆつくり伊田まで歩いてゆく、そして三時間ばかり行乞、一週間ぶりの行乞だ、行乞しなくてはならない自分だから、やつぱり毎日かゝさず行乞するのが本当だ...
種田山頭火 「行乞記」
...雪のような朝霜...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...外出中凌霜子來りオランヂ砂糖漬を惠まる...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...次の朝は霜が降つた...
中原中也 「在りし日の歌」
...この霜柱の研究には到(いた)る所にこの直観的の推理が躍動している...
中谷宇吉郎 「「霜柱の研究」について」
...角柱状など色々の霜があった...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...小六はこの霜(しも)ばかり降りた四角な地面を背にして...
夏目漱石 「門」
...乳母のお霜も生きていないかもわかりません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...知らずや霜月酉(とり)の日例の神社に欲深樣のかつぎ給ふ是れぞ熊手の下ごしらへといふ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...塀は幾星霜を経たものか...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...霜のない地面から長閑(のどか)な陽炎が立つ...
宮本百合子 「雲母片」
...――暗い道にはまっ白に霜がおりてる...
山本周五郎 「桑の木物語」
...白靄が立つて榛の樹には霜の華が咲く...
吉江喬松 「山岳美觀」
...朝々霜が真っ白におりる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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