...今後第四階級者にも資本王国の余慶が均霑(きんてん)されて...
有島武郎 「宣言一つ」
...悄(しお)れて声が霑(うる)んだのである...
泉鏡花 「婦系図」
...声が霑(うる)む...
泉鏡花 「婦系図」
...霑(うるみ)をもった目を見据え...
泉鏡花 「婦系図」
...一客先づ溪中に落ちて、衣服悉く霑ふ...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...結局国民生活に還元均霑されているものであって...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...各国の利権を均霑せしめ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...その頃はただ霑いのない抽象的な文句の羅列のみが私の手元に届いた...
豊島与志雄 「運命のままに」
...動(うご)かすなといつたら動(うご)かさなけりやいゝんだ」巡査(じゆんさ)は呼吸(いき)で霧(きり)のやうに少(すこ)し霑(ぬ)れた口髭(くちひげ)を撚(ひね)りながら「櫟(くぬぎ)の根(ね)が大分(だいぶ)あるやうだな」といひ棄(す)てゝ去(さ)つた...
長塚節 「土」
...その川の霑す極み...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...文明の趨勢と教化の均霑(きんてん)とより来(きた)る集合団体の努力を無視して...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...疲勞(ひらう)に少(すこ)し落(お)ち込(こ)んだ眼(め)を霑(うる)ませて...
夏目漱石 「門」
...之等(これら)の默止すべからざる温情が亨一の荒(すさ)んだ心に霑(うるほ)ひを與へた...
平出修 「計畫」
...」お仲さんの酌んで出した番茶に喉を霑(うるほ)して三人づれで出かけた...
平出修 「二黒の巳」
...その額を花蔓酒の雫をもつて霑ほして貰はう――ハツハツハ! 兵士だ...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...山城河岸の雨露はこれを霑(うるお)し尽すことが出来なかったであろう...
森鴎外 「細木香以」
...そうしてその大きく霑(うる)みを持った黒眼勝ちの眼と...
夢野久作 「暗黒公使」
...我等女子が現代文明の幸福に均霑(きんてん)せん為(た)め――我等自(みづか)らの幸福の為(た)めとのみ云はず...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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