...天地よりもさらに霊妙な小天地が浮び上ったのです...
芥川龍之介 「秋山図」
...諸子が其霊妙純聖の花を育てながら...
石川啄木 「閑天地」
...大乗経典が仏説でないことが却(かえ)って仏教の霊妙不可思議を示すものと考えられます...
石原莞爾 「最終戦争論」
...この霊妙な力を正しく働かして...
石原莞爾 「最終戦争論」
...聖断一度び下らば過去の経緯や凡俗の判断等は超越し、真に心の奥底より聖断に一如し奉るようになるのが我が国体、霊妙の力である...
石原莞爾 「戦争史大観」
...霊妙なる人間の頭というものは...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...そして霊妙な薬の効能を否定して...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...これが「ナオミの顔」と云う一つの霊妙な物質なのか...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...ガーエフ (低い声で、朗読口調で)おお、自然よ、霊妙なるものよ、おんみは不滅の光明に輝く...
アントン・チェーホフ 神西清訳 「桜の園」
...話は先刻聴いた霊妙な作品のことばかりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...眼を閉じて霊妙な曲をひきだした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...霊妙なる光景の一部をなしてるのである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼の霊妙な描写の筆に値する程のものでなければ我慢がならなかったのである...
中島敦 「光と風と夢」
...消える印象の名残(なごり)――すべて人間の神秘を叙述すべき表現を数え尽してようやく髣髴(ほうふつ)すべき霊妙な境界(きょうがい)を通過したとは無論考えなかった...
夏目漱石 「思い出す事など」
...けれどもこういう霊妙な手腕をもっている彼女であればこそ...
夏目漱石 「行人」
...津田君を手のうちに丸め込んで自由にするあなたの霊妙なお手際にです」小林の言葉は露骨過ぎた...
夏目漱石 「明暗」
...かくのごとく不可思議、不可測(ふかそく)の心を有している雪江さんも、細君と話をしているうちはさほどとも思わなかったが、主人が帰ってきて油壺を抛(ほう)り出すやいなや、たちまち死竜(しりゅう)に蒸汽喞筒(じょうきポンプ)を注ぎかけたるごとく、勃然(ぼつぜん)としてその深奥(しんおう)にして窺知(きち)すべからざる、巧妙なる、美妙なる、奇妙なる、霊妙なる、麗質を、惜気もなく発揚し了(おわ)った...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...宇宙一切の極微分子に悉(ことごと)く活動の気を吹き込みて霊妙の動作をなさしむるその遍在の精力こそ...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
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