...(二月二日)俳句紅葉(こうえふ)の句未(いまだ)古人霊妙の機を会せざるは...
芥川龍之介 「骨董羹」
...諸子が其霊妙純聖の花を育てながら...
石川啄木 「閑天地」
...霊妙音(れいみようおん)の鳴るが楽しさ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...ここに霊妙なる精神活動を現出するが...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...彼等とは全く相離れた一種の霊妙不可思議なものの如くに思ひ込んで居たのである...
丘浅次郎 「人類の誇大狂」
...それはわたしが今までに見たことがないほど霊妙な飛びかたであった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...科学という霊妙な有機体は自分に不用なものを自然に清算し排泄(はいせつ)して...
寺田寅彦 「量的と質的と統計的と」
...どこまで霊妙に鍵盤(けんばん)を馴(な)らしきっているかと思われた...
徳田秋声 「仮装人物」
...偶因論の神のような霊妙な干渉を試みる...
戸坂潤 「科学論」
...いい書物をゆっくり味わうときにそれから輝き出す霊妙な力を...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...霊妙不思議な惚(ほ)れ薬...
中里介山 「大菩薩峠」
...『凧刻んで夜の壁に描き得た我が霊妙なる壁画を瞬く間に擾して...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...津田君を手のうちに丸め込んで自由にするあなたの霊妙なお手際にです」小林の言葉は露骨過ぎた...
夏目漱石 「明暗」
...うるさく電話をかけておいて、急にやめると、相手は不審に耐えられなくなって、こちらの動静をさぐりにくるはずだ、という、ややこしい心理の計算は、一種、霊妙な感じで、はっとさせるが、よく考えてみると、やはり、どこか尋常でないところがある...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...その大切な霊妙不思議な漢学の大主義を頭から見下して敵にして居るから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...まさしく霊妙なる声にてその王の才知を讃えたのだ...
エドガー・A・ポオ Edger A. Poe 「ポオ異界詩集」
...貴様の霊妙な力が醒めよう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...それによってうつ向いた顔も仰向いた顔も霊妙な変化を受けることができる...
和辻哲郎 「文楽座の人形芝居」
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