...心より払わんとするも払い得ない一種の雲影であった...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...肉体の雲影男と須原の両人は...
江戸川乱歩 「影男」
...雲影(うんえい)模糊(もこ)とみえそめた島々の蒼(あお)さを驚異(きょうい)と憧憬(どうけい)の眼でみつめたまま...
田中英光 「オリンポスの果実」
...汚い慾望なんか逃げてしまう! おゝ一きれの雲影もない大空のたふとさ!夕方...
種田山頭火 「一草庵日記」
...畳古きにも旅情うごく□樹影雲影猫の死骸が流れてきた・土手草萌えて鼠も行つたり来たりする□水鳥の一羽となつて去る飾窓の牛肉とシクラメンと三月六日曇后雨...
種田山頭火 「行乞記」
...――酒に『おあづけ』はない!・朝の水で洗ふ・樹影雲影に馬影もいれてこゝでしばらくとゞまるほかない山茶花の実・草を刈り草を刈りうちは夕餉のけむり・夕焼...
種田山頭火 「行乞記」
...一片の雲影もない秋日和である...
種田山頭火 「其中日記」
...一片の雲影もない快さ...
種田山頭火 「道中記」
...雲影もなく晴れわたつて...
種田山頭火 「松山日記」
...一筋の雲影もない澄んだ空は...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...天色雲影奇観極り無し...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...天気晴朗で雲影なく...
久生十蘭 「湖畔」
...雲影月色我を慰むるが如く感ずべし...
正岡子規 「俳諧大要」
...心頭を徂徠する雲影のうたた悲涼ならんとするをみづからあやしむとしかいふ...
三好達治 「朝菜集」
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