...まだ雲切れのしない空に柿若葉の(におい)のする...
芥川龍之介 「邪宗門」
...やっと雲切れのした青空を眺めた...
芥川龍之介 「上海游記」
...天頂(てっぺん)いささか雲切れがして青が見えるが...
石川欣一 「可愛い山」
...雲切れがしたように合歓(ねむ)の散った...
泉鏡花 「婦系図」
...雲の奥深く分け入りながら啼く声を地上にあって聞くのであるすなわち雲切りの技を楽しむ...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
......
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...それに空はあくまで晴れ、雲切れ一つなく、彼等の歩いてゐる田舎路は右手にきらめく河を見下して、白くはつきりと浮び上り、ふり注ぐ日ざしと温かさで噎(む)せるほどだつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ところどころ雲切れのしたさびしい夏の空が...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...フトまたあちこち瞬く間雲切れがして...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...空に処々雲切れがして...
豊島与志雄 「神棚」
...雲切れのし始めた入梅の空は...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...雲切の間から夏らしく澄んだ紺青の空が見え出した...
南部修太郎 「病院の窓」
...雲切仁左衛門もそれである...
野村胡堂 「江戸の昔を偲ぶ」
...日本駄右衞門、雲切仁左衞門、鼠小僧、神道徳次郎、曰(いは)く某曰く某と、幕末の世界では、芝居と講釋の英雄にさへなつてしまひましたが、本質的には、百兩盜んで十兩惠(めぐ)む程度で、今日の税金よりは、餘つ程安い冥加(みやうが)金で、市民達のヒロイズムを滿足させたわけです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...風がおさまって雲切れがし...
久生十蘭 「海難記」
...雨がやんで雲切れがし...
久生十蘭 「肌色の月」
...灰色の空は雲切がして...
三島霜川 「解剖室」
...雲切れの間から雨に洗はれた青空が見えて来た...
吉江喬松 「五月雨」
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