...雪白のシーツの上に移された...
有島武郎 「お末の死」
...秋天一碧の下に兀(こつ)として聳え立つ雪白の大校舎である...
石川啄木 「葬列」
...雪白(せっぱく)の小兎はもちろん...
魯迅 井上紅梅訳 「兎と猫」
...ところが、最近、ふと『平家物語』を繙(ひもと)いた時、巻十の「海道下り」の終の方に、一谷で生捕された平重衡が、梶原景時に護送されて鎌倉に下向する途中、小夜の中山を通り過ぎるところで、「……宇津の山辺の蔦の道、心ぼそくも打越えて、手越を過ぎ行けば、北に遠ざかりて、雪白き山あり、問へば甲斐の白根という...
宇野浩二 「それからそれ」
...何方(どちら)かがそれ等の雪白き連山の見取図を描き...
宇野浩二 「それからそれ」
...女は雪白(せっぱく)のエプロンをかけて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...冬晴れの真ッ青な空へ雪白をちらして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...そこにはちやんと雪白の足袋を着用した足が性急に運ばれてゐるのである...
牧野信一 「足袋のこと」
......
正岡子規 「古池の句の弁」
...下段の寝台が雪白に整えられて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...わずかかわした雪之丞の雪白の手が...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...揺れあい押しあいつつ眩しいほど雪白の泡となって汀を掩う……これらはすべて或る諧調(かいちょう)をもっていた...
山本周五郎 「新潮記」
...鶴のようにという譬(たと)えの相(ふさ)わしい痩躯(そうく)で盲(めし)いた双眼を蔽(おお)い隠すように雪白(せっぱく)の厚い眉毛が垂れ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...夜顏は藤紫と雪白と...
横瀬夜雨 「花守」
...真珠を飾つた雪白(せつぱく)の絹でさつと撫(な)でられぬ岩も無い...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...子龍には自分の愛馬――銀毛雪白(ぎんもうせっぱく)な一頭を与えて...
吉川英治 「三国志」
...さらに、これを脱げば、雪白の肌に、目のさめるような美しい刺青(ほりもの)ももっている...
吉川英治 「新・水滸伝」
...針のように棒の様に大小さまざまな幹のみがその雪白の色を輝かせ窪みに沿うて立ち続いているのである...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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