...静かに岸から離れてゆく船の甲板の上に軽々と上がって来たその姿が...
有島武郎 「或る女」
...生きている時よりも遙か離れて持っている...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...もし余り遠く離れていると何かの事で片眼だけが見つけ出されはしないかと恐れてでもいるかのように――ひどくくっつき過ぎているのだ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...押しのけられた三毛はあきれたように少し離れてながめていた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...自分の生きた經驗を離れて...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...そしてまた革の印絆纒(しるしばんてん)を着て少し傍に離れて立っている棟梁(とうりょう)の鹿爪らしい顔を見た...
豊島与志雄 「少年の死」
...舟は今緑り罩(こ)むる陰を離れて中流に漕(こ)ぎ出(い)づる...
夏目漱石 「薤露行」
...月経期間の女性は他の家族と離れて暮らす...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...遠くに離れて坐っているので...
林芙美子 「新版 放浪記」
...探(さぐ)りなれたる母の乳房に離れて...
福田英子 「母となる」
...写実を離れてデフォルマシヨンを勉強のことだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...しかしさういふやうな愛人や兩親や自分自身から離れてゐる不安は...
堀辰雄 「旅の繪」
...彼はそれを見るとすこし顏をしかめながら出來るだけ早くこの場を離れてしまはうと思つた...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...これを離せば容易に離れて個々の嚢(ふくろ)となるのである...
牧野富太郎 「植物知識」
...やや離れてその両方を見較べられる位置に主任が腕組みをしている...
宮本百合子 「刻々」
...病人の側(そば)を離れて...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...住居も二町ばかりしか離れていないで...
山本周五郎 「柳橋物語」
...片手で顔を抑えたままバラバラとそこを離れて大声に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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