...私(わたくし)どもは全(まった)く雛子(ひなこ)の小(ちい)さな手(て)に導(みちび)かれて神様(かみさま)の御許(みもと)に近(ちか)づくことができたのでございます...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...いいえ、二人はお座敷へ行っている……こっちはお茶がちだから、お節句だというのに、三人のいつもの部屋で寝ました処、枕許が賑(にぎや)かだから、船底を傾けて見ますとね、枕許を走ってる、長い黒髪の、白いきものが、球に乗って、……くるりと廻ったり、うしろへ反ったり、前へ辷(すべ)ったり、あら、大きな蝶が、いくつも、いくつも雪洞(ぼんぼり)の火を啣(くわ)えて踊る、ちらちら紅い袴(はかま)が、と吃驚(びっくり)すると、お囃子が雛壇で、目だの、鼓の手、笛の口が動くと思うと、ああ、遠い高い処、空の座敷で、イヤアと冴えて、太鼓の掛声、それが聞覚えた、京千代ちい姐(ねえ)...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...此の鳥は其の雛に...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...さうした訳合(わけあひ)でかなりの地位に据(す)わつてゐる雛(ひよ)つ児(こ)画家も少くはない...
薄田泣菫 「茶話」
...雛子にも口がかゝつて来た...
徳田秋声 「チビの魂」
...お雛さんのような――さっき登って行かっしゃった...
直木三十五 「南国太平記」
...朝まだき新冨町の雛妓三四人押掛け来り...
永井荷風 「断腸亭日乗」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...先代がお雛の許婚に定めた位の若者です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...父さんを一番怨んでいる者――」「一番怨んでいる者というと」「…………」お雛は黙ってしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...女の家を知っているのか」「踊りの師匠のお雛(ひな)の家で」「それならわけはない」平次と八五郎は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おぼえておいでなさいましよ」花世は瓶子と盃を雛壇からとりおろして来て...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...こんなに可憐(かれん)な人とばかりいないでと源氏は思いながらいつものように雛(ひな)遊びの仲間になった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...始めは雛鳥が餌を求める姿かと思つたが...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...何日目に雛(ひな)になるかを知らせてくれと頼んで行ったが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...日金山(ひがねさん)へ蜂の巣や鳥の雛子(ひなこ)ばかりさがしに行っていて...
吉川英治 「江戸三国志」
...雛鳥(ひなどり)の籠猫が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...年を取った鶸は、青虫を嘴(くちばし)に一杯くわえて来ては、悪びれる様子もなく、雛に食わせた...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??