...が、私自身と雖も、私の愚を笑ふ点にかけては、敢て人後に落ちやうとは思つてゐない...
芥川龍之介 「後世」
...從つて作家その人を聊かも内面的に啓發する力のない批評と雖も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...彼(か)の寸毫(すんごう)の微と雖(いえど)も逃すことのない透徹(とうてつ)その比を見ざる大学者の頭脳と...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...いかに容貌醜悪なテルシテスと雖も...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...併し心理学と雖も...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...こうした定義と雖も本当は多少具体的な分析の結果として与えられたものであることを見逃すべきではない...
戸坂潤 「技術の哲学」
...でそうなると民間療法と雖も...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...勿論本党が天下を取るの時機を待つは愚に近かしと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...我輩は多年閣下の政敵として論壇に立つものなりと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...足駄に高足駄中足駄ありと雖も低足駄と称するものなし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...誠に長野の市中道路頗る狹隘なるものは之有りと雖...
長塚節 「草津行」
...特に歴史の科目設けられざりしと雖...
原勝郎 「貢院の春」
...遠方より之を皮相する者は外形の美に欺かれて或は意に關せざるもの多しと雖ども...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...非常に高價なるものならんと雖ども...
福沢諭吉 「帝室論」
...ブルジョア的基礎經驗の中から發生したイデオロギーと雖も一定の歴史的時代にあつては頗る革命的なる眞理として妥當したのである...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...歴史は勿論帰納的に事実を研究せざるべからずと雖(いへど)も小説も亦(また)決して事実を離れたる空想なりとは言ひ難きのみならず...
山路愛山 「透谷全集を読む」
...今日と雖も娼閣の壁上往々其旧題を見るといへり...
山路愛山 「頼襄を論ず」
...申すに及ばず候と雖(いへど)も...
吉川英治 「新書太閤記」
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