...遂に全く屏息し去るの止むを得ざるに至らしめたりと雖も...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...その色彩目を奪ふと雖(いへども)...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...然りと雖ども予の自ら禁する能はざるものは啻に是れにのみに非ず...
石川三四郎 「浪」
...之を明かに判断し難しと雖も...
高木敏雄 「比較神話学」
...われ非力なりと雖もいまは黙視し得ずと敢然立つて...
太宰治 「お伽草紙」
...恐らくは乞食と雖...
谷崎潤一郎 「幇間」
...之は生理学の真理を認める限り哲学者と雖も想定しなければならぬテーゼである...
戸坂潤 「科学論」
...是れと同時に其の政略及び行動は時として物議の中心たることありと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...園田氏と雖(いえ)ども許しませんぞ」「無礼な事を言うな...
野村胡堂 「女記者の役割」
...土一揆の爲めに大小名が苦められたこと屡々であるのみならず、將軍と雖、亦これが爲めに惱まされたといふのは、これ即第四級民の下尅上であつて、而して其姑息な療法として實施された社會政策は、實に彼の枚擧するに遑なき程の徳政である...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...假りにこれを知らざりしとするも、斯る重要なる密事を託するに先ちては、必之を託するに足るべき人を撰擇するは普通にして且至當の事なれば、頼家が密書を義盛に與ふるに際しては比企邸の事變に關して義盛が執りし態度を知れりと考ふること穩當なるべし、既に之を知れりとせば、北條方なる義盛に頼家が密書を與へたることは實らしからざることなり、よし吾妻鏡の編者に數歩を讓りて義盛の比企邸を攻めしは深く北條氏に結托せる結果にはあらずして、比企氏に對する感情より來りたりと假定し、頼家が義盛に反正の望を屬し、其右族の領袖たるの故を以て、此密事を得べき唯一の家人と信じ以て密書を與ふるに至れりとするも、同樣の密書を仁田忠常にも與へたりとの事實は信用しがたき事なり、忠常は能員を殺したる當の下手人なり、而して其驍勇は有名なるも、別に鎌倉に勢力ある人にもあらず、頼家と雖、豈かゝる輩に密事を委託するの愚を學ふべき筈あらんや、愚考を以てすれば、此日の記事は、少くも其忠常に關せる部分は、翌日時政が忠常を殺す條の伏線として、之が辯明に供したる風説を登録したるに過ぎず...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...支那をして孤立せしめなば此言或は當る可しと雖ども...
福澤諭吉 「亞細亞諸國との和戰は我榮辱に關するなきの説」
...直接に政事に關せずと雖ども...
福沢諭吉 「帝室論」
...折柄ひゞき来る蜩笛の寂しい音色は卅年を経た今日と雖も私は歴々と此を耳朶に蘇らすことができる...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...」暴力と雖もそれが階級鬪爭のなまの...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...雖然、其の製作は相(あひ)変らず捗取(はかど)らぬ...
三島霜川 「平民の娘」
...雖未得考拠之備...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...逍遙子は是なりと雖(いへど)も之を崇(あが)めず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
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