...予はたとひ宮せらるると雖も...
芥川龍之介 「梅花に対する感情」
...君主や國民や民族等と雖も...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...当らずと雖(いえど)も遠からずだ」喬介が云った...
大阪圭吉 「石塀幽霊」
...ブルジョア新聞と雖も新聞自体の本来の社会的機能を...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...哲学的理論と雖も...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...蓋し彼等は必ずしも政治と實業との關係密切なる所以を解せざるに非ずと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大隈伯の一派に多くの政友を有すと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...顧ふに立憲国の内閣に在ては議院政略も亦一の重要なる政略たるを疑はずと雖も...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...隣家の小楼はよく残暑の斜陽を遮ると雖(いえども)晩霞(ばんか)暮靄(ぼあい)の美は猶此を樹頭に眺むべし...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...誠に長野の市中道路頗る狹隘なるものは之有りと雖...
長塚節 「草津行」
...さる冬のこと子供の脳より聾乎(ぼつ)として漂つたことがあつたつけが!怒濤を繞((めぐ))らす半島と雖((いへど))もその時程の動乱を蒙(う)けたためしはないのであつた...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...然リト雖ドモ吾ガ平生ノ生計亦汝ニ頼テ立テリ...
成島柳北 「祭舌文」
...「ウツ! われ徒らに無明の酒に酔ふにあらず……と、云へたら面白からうが、チョツ! お酌をしろ! ……鸚鵡能く言へども、飛鳥をはなれず、猩々能く言へども禽獣をはなれず、いま、人にして礼なくば、能く言ふと雖も、禽獣の心をはなれず、ともあり、或ひは……」昔母から教つたことなど、と云ひかけて、あゝと、彼は酔漢らしい仰山な溜息を吐いた……...
牧野信一 「貧しき日録」
...而してその花は容易に見るを得べからずと雖どもまた時にこれを出すことあり...
牧野富太郎 「植物記」
...最も物質的なる勞働と雖も固よりそれが精神的なる意味を有し得ることを妨げるものではない...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...どのやうな根源的な體驗内容と雖も自己を表現するに際し...
三木清 「歴史哲學」
...雖生於戎羯(じゅうけつにうまるといえども)...
森鴎外 「渋江抽斎」
...いかなるものと雖(いえど)もそれらの人々のより高きを望む悟性に信頼し...
横光利一 「新感覚論」
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