...他の居住区のように雑然としたところは全然なかった...
梅崎春生 「赤い駱駝」
...雑然とした話し声...
相馬泰三 「六月」
...あの黄いろい高い声の雑然とした中に自ら調子があつて...
高村光太郎 「珈琲店より」
...これらの雑然とした道具と道具との狭い間を生き生きと動いてゐるのは...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...何々上り! と知らせる声なぞの雑然とした――安酒場の給料日であるが――夜更けて...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...大河の碧(みどり)に捺(お)したやうに白く見える小さい汽船――漸(やうや)く起つて来る雑然とした朝の物の響は...
田山花袋 「朝」
...実際の場合は一見雑然とした機械の嵐のように運転する中を案内されて説明を聞いても眼が戸まどいをして視るべき要点を掴(つか)まえることが困難であるが...
寺田寅彦 「教育映画について」
...要するにレビューというものはただ雑然とした印象系列の偶然な連続としか思われなかった...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...雑然とした一種のアトモスフェアを造り...
戸坂潤 「思想としての文学」
...如何に理論的実質に於て空疎で雑然としたものかということである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...一ヶ所甚だ雑然とした陋穢(ろうわい)な一劃が目に付いた...
中島敦 「盈虚」
...雑然とした三畳の玄関に...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その雑然とした事務所全体の発散する絶え間ない音響に混ざつて...
原民喜 「火の踵」
...雑然とした書類の束...
火野葦平 「花と龍」
...雑然とした世相のよい展覧会である...
柳宗悦 「工藝の道」
...演奏やステップの音の雑然とした渦のなかに...
山川方夫 「その一年」
...その白粉(おしろい)ぎたない雑然とした色彩に...
吉川英治 「江戸三国志」
...春曙抄本のごとく雑然としたものでない」という点を問題にしてみたいと思う(1)...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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