...思想が自然だとか調子が雄渾(ゆうこん)だとか...
伊藤左千夫 「子規と和歌」
...五日ほどすると美事な雄渾な絵がそれぞれの構図で完成するという制作の方法であった...
上村松園 「三人の師」
...道教思想の雄渾(ゆうこん)なところは...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...王と奴隷とを表現する雄渾(ゆうこん)単一な厖大(ぼうだい)な美の形式であり...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...雄渾(ゆうこん)な構想に加えるに緻密(ちみつ)な工匠的の美意識に富み...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...こんな雄渾な風景の中にこんなつつましい生活があったのか...
外村繁 「澪標」
...桁梁(けたはり)の雄渾(ゆうこん)(?)なところとを見ても...
中里介山 「大菩薩峠」
...その大壁画の雄渾(ゆうこん)にして堅牢なる...
中里介山 「大菩薩峠」
...これはコルトーの雄渾(ゆうこん)な演奏をもって第一とする...
野村胡堂 「楽聖物語」
...壮大雄渾なる句は少きを以て...
正岡子規 「俳諧大要」
...(芭蕉の句にはなほ数首の壮大雄渾なる者あれども...
正岡子規 「俳諧大要」
...積極的美とはその意匠の壮大、雄渾、勁健(けいけん)、艶麗、活溌(かっぱつ)、奇警なるものをいい、消極的美とはその意匠の古雅、幽玄、悲惨、沈静、平易なるものをいう...
正岡子規 「俳人蕪村」
...(ただし壮大雄渾なるものに至りてはかえって上世に多きを見る)されば唐時代の文学より悟入したる芭蕉は俳句の上に消極の意匠を用うること多く...
正岡子規 「俳人蕪村」
...鳥居とそのうしろの雄渾な反り橋の様式化に応じて...
宮本百合子 「あられ笹」
...今日景観は何と雄渾でしょう...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...石台の上に立つ雄渾(ゆうこん)な形には何かノルマンの碑石を偲(しの)ばせるものがある...
柳宗悦 「全羅紀行」
...舞台上の翁の雄渾豪壮な風格はミジンも認められないが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...狩野派、土佐派、何々流式の線や色の主張も、飄逸(ひょういつ)も、洒脱(しゃだつ)も、雄渾も、枯淡も棄て、唯一気に生命本源へ突貫して行く芸術になってしまった...
夢野久作 「能とは何か」
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