...三は雁形の鳥的(とりまと)を絲にて釣れるもの 是には等級なく四は鐵楯である 是は矢を立てたるを成功者となす 點數等しければ姿勢のよろしきを上となすの定めである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...雁金検事と大江山捜査課長とが入ってきたのだ...
海野十三 「恐怖の口笛」
...事件を主査(しゅさ)している雁金検事の同意を求めた...
海野十三 「流線間諜」
...雁中(がんちゆう)に一雁ありて所為(なすところ)衆(みな)これに随(したが)ふ...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...雁鍋、松田、平清、岡野その他の何所の「だんご」という如く、昔東京の名物であって今はあとかたもなく消えてしまった所が枚挙にいとまがない程である...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...雁(かり)の列のように刺繍(ししゅう)されてある古めかしい半襟であった...
太宰治 「火の鳥」
...帳面を慌てて隠す時に雁皮の紙を揉(も)みくしゃにしたので...
谷崎潤一郎 「鍵」
...では何のために音のしない雁皮紙を使ったり...
谷崎潤一郎 「鍵」
...人差指に雁首(がんくび)を引掛けてぶら下げておいてから指で空中に円を画(えが)きながら煙管をプロペラのごとく廻転するという曲芸は遠心力の物理を教わらない前に実験だけは卒業していた...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...雁の篇中に現れ来る人物と其背景とは明治十五六年代のものであろう...
永井荷風 「上野」
...坑夫はしばらくの間黙って雁首を眺(なが)めていた...
夏目漱石 「坑夫」
...八丈の重ね着を一枚の雁皮(がんぴ)のやうに斬つてある」「ところが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」「ほんと! おっかないわ……」ネクタイをひらひらさせた二人の西洋人が雁木(がんぎ)に腰をかけて波の荒い景色にみいっていた...
林芙美子 「新版 放浪記」
...と雁江は単純に結論をつけた...
原民喜 「滑走」
...雁首(がんくび)にきざみをつめながら訊(き)いた...
火野葦平 「糞尿譚」
...枯れ柴にくひ入る秋の蛍かな闇の雁手のひら渡る峠かな二更過ぐる頃軽井沢に辿り着きてさるべき旅亭もやと尋ぬれども家数...
正岡子規 「旅の旅の旅」
...こんな雁が飛んでゐるもんか...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...島ありて雁の巣ありといふ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
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