...隻手羅曼(ロマン)主義の頽瀾(たいらん)を支へ...
芥川龍之介 「「鏡花全集」目録開口」
...その後今の向島(むこうじま)の梵雲庵(ぼんうんあん)へ移って「隻手高声」という額を掲げて...
淡島寒月 「我が宗教観」
...隻手(せきしゆ)の聲で...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...伏しては隻手(せきしゅ)を以て蒼海を渡るべし...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...隻手をもって奔流を押えようとするにも等しかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鯉沼君は隻手(かたて)を失うし...
田中貢太郎 「雨夜続志」
...菅笠(すげがさ)を水に濡(ぬ)らさないようにと隻手(かたて)を笠の縁(ふち)にかけて...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...傍の巌角(いわかど)にかけた隻手(かたて)がやっと支えていたじゃないか...
田中貢太郎 「宇賀長者物語」
...私の云うことを聞いてくださいよ」「そいつはどうしてもだめですよ」年増の女の隻手(かたて)は讓の隻手にかかった...
田中貢太郎 「蟇の血」
...隻手で足にからみついている繩を除けて...
田中貢太郎 「雁」
...ベルセネフは叫ばすまいとして隻手(かたて)を口にやろうとした...
田中貢太郎 「警察署長」
...あっちへ伴(つ)れて往け」クラネクは隻手(かたて)を挙(あ)げて林の方をさした...
田中貢太郎 「警察署長」
...隻手でまた手招きした...
田中貢太郎 「黄燈」
...独(ひと)りで淋しくって淋しくって困ってるところでございますから」女は隻手(かたて)をテーブルにかけて縋(すが)るようにしていた体を起して...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...立て掛けてあった鉄砲を隻手に持って何時でも撃てるように身がまえをした...
田中貢太郎 「山の怪」
...かの仏人レセップス氏は隻手を振うて難なくこれを決行し...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...隻手を挙ぐれば隻手を失い...
夏目漱石 「虞美人草」
...満腔の精神を隻手(せきしゅ)に集めて...
穂積陳重 「法窓夜話」
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