...いひやうは些とぞんざいだが……ごめんを被つて……癪に障る...
泉鏡花 「遺稿」
...弦光二人掛(がか)りのようで癪に障る...
泉鏡花 「薄紅梅」
...」とその手巾が目に障る...
泉鏡花 「婦系図」
...冷吉は傷が釣られるやうに障るので...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...これは障るという意味よりはむしろ海上などで霧が水平線に堤のように下りて陸と見違えるようなのをいうそうである...
寺田寅彦 「歳時記新註」
...何か気に障ることでも仰言ったの...
豊島与志雄 「別れの辞」
...あるいはそれを厳しくいい立てることによって自分が立派な人間であることを人に証明しようとする道徳家連中位癪に障る者はないよ...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...最後にその猫の態度がもっとも癪(しゃく)に障る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...なにか気に障ることを言っては...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それがまた師匠にゃ無体(むてい)癪に障るとこういうわけなんだ...
正岡容 「小説 圓朝」
...宗教という言葉を聞いても癪に障るほどであった...
正岡子規 「病牀苦語」
...癪に障る奴等にツバぁ吐きかけながら渡るのが...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...それに障るのが厭なのである...
リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「白」
...柔い床がおみ足に障るように...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...お前の足の親指の尖が地に障ると...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...「きさまは癪(しゃく)に障る野郎だ」と松田はくいしばった歯のあいだから云った...
山本周五郎 「さぶ」
...お乳に障るから化粧は控えるようにと云っても...
山本周五郎 「初蕾」
...余りつとめられると身体に障るからといって心配しても...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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