...障子の破れに当って笛のような音を立てた...
梅崎春生 「風宴」
...この両大文明の間に雪山という大きな障壁が出来ているのであります...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...海戦の最中には海岸附近の人家の障子が断続的にとゞろく砲声で鈍く不気味に響きつゞけた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そして障子の隙間から来る風すらが...
徳田秋声 「黴」
...気障(きざ)な手つきで...
中里介山 「大菩薩峠」
...余が表の障子をあけて此宿へはひつた時に其障子の蔭で宿の女房らしい女が肌衣一つで下女らしい女を相手に笄のやうな形の丸い杵を持つて小さな臼で白い粉を搗いて居たのである...
長塚節 「旅の日記」
...器械が故障を起した場合の部分品から修理道具までも持っで行かねばならない...
中谷宇吉郎 「冬ごもり」
...もう酉刻(むつ)半(七時)ですよ」「シッ」二人は半分閉した店の障子の間から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...骨ばかりの障子、芯(しん)のはみ出した疊、壁は落ち、戸はさゝくれて、家具らしいものは、七輪が一つに鍋が二つ、茶碗やら丼(どんぶり)やらが、棚の上に四つ五つ竝んで、柱には着換への襤褸(ぼろ)が一二枚ブラ下がつてあるだけ、さすがの平次も、暫らくは言葉もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...今日は工場は休みなのかい?」叔母さんが障子を叩きながら呶鳴(どな)っている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...そしてそれによってまた自分が正確にいえばただ動物小屋へいく道の上にある障害にすぎないということを思い出させようとするなら...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...はい誰(だ)れも時候(じかう)の障(さわ)りも御座(ござ)りませぬ...
樋口一葉 「十三夜」
...まあ、これを着んさい」「ええというのに……」二人が、蒲団を中にはさんで、押し問答をしていると、突然、ガタッ、ピシャッと、家なり震動するほどのはげしさで、障子が開いた...
火野葦平 「花と龍」
...お!』鼻を啜る音が障子のかげから聞えた...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...障子はあけ放してあっても...
森鴎外 「阿部一族」
...障子が仄明(ほのあか)るくなり...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...何のお障(さわ)りなき吉日と考えられまする」「十七日」頼朝は...
吉川英治 「源頼朝」
...うしろの障子が開いて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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