...際限なく波が動いてゐた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...若い文人が好い加減に創作した出鱈目(でたらめ)の造語の詮索(せんさく)から句読(くとう)の末までを一々精究して際限なく気にしていた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...猶まだ際限なく続いてくる様子だったが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...しかしながらこの制度をどこまでも際限なく許容したならば...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...こういう例はあげれば際限なくあげられるかもしれないが...
寺田寅彦 「映画時代」
...母親も際限なく附いていられなかった...
徳田秋声 「足迹」
...他の訪問は際限なく延ばしておいた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...際限なくつづく瓦屋根の間々(あいだあいだ)に...
永井荷風 「日和下駄」
...さながら晩秋に異らぬ烈しい夕栄(ゆうばえ)の空の下、一望際限なく、唯黄いろく枯れ果てた草と蘆とのひろがりを眺めていると、何か知ら異様なる感覚の刺※を受け、一歩一歩夜の進み来るにもかかわらず、堤の上を歩みつづけた...
永井荷風 「放水路」
...凡て情は愛惡とも際限なくして...
西周 「情智關係論」
...かえって際限なく混乱して行きそうだったのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...忠義酒屋の加島屋が一體どうしたと言ふんだ」平次は際限なくタガのゆるむ話を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あんな浮氣野郎と連れ添ふ氣なんかありやしません」お若の長廣舌は際限なく發展します...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼の際限なく続く話は過去のある時期に彼が臨時の召喚状を裁判所から受け取った事件のことに及んでいた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...東へ西へと際限なく流れ行くであらうが…………しかし今はしばし...
溝口健二 「日本趣味映画」
...一月ごとにその程度と範囲が際限なくひろがって...
宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第五巻)」
...際限なく嘘(うそ)を言わねばならぬ右近になっているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...わたしに際限なく材料を提供してやみそうもない・この長い退屈な・論を閉じようと思う...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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