...常には目立たぬ塵埃(ちりほこり)が際立つて目につく...
石川啄木 「鳥影」
...これと際立つところはないが...
石川啄木 「鳥影」
...高音中音(ソプランアルト)の冴えた唄に際立つ次中音(テノル)の調子を交へた...
石川啄木 「鳥影」
...だのいふ物を何となく鮮明に何となく際立つて見せてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...ところどころに巡査が万一を警戒して立つてゐるのもそれとはつきり際立つて見えた...
田山録弥 「海をわたる」
...ところがこの春やすみの中に於いて際立つてかれを驚かしたことがあつた...
田山録弥 「路傍の小草」
...夜のしじまにあってはとても際立つ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...稍不透明な空氣は尚針の尖でつゝくやうに其白い一點を際立つて眼に映ぜしめる...
長塚節 「寫生斷片」
...水際立つた元祿姿(げんろくすがた)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...終りの無いことが特に際立つた本質的特徴となる...
波多野精一 「時と永遠」
...超越性の際立つて鮮かなるものと然らざるものとがある...
波多野精一 「時と永遠」
...一人は白髪の際立つ老人で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...掴みどころに迷ふであらう特に際立つた峰も見あたらぬ眠むたげな色合でぐるりと村を取り巻いてゐた...
牧野信一 「月あかり」
...氏の言葉は際立つて直訳体めいてゐるのが特徴であつた...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...ここで一つ際立つ芸術上の現象がある...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
...幕間(まくあひ)にサロンや廊を逍遥する群衆の中に平生と異(ちが)つて時代遅れの服装や帽が際立つて多く目に着くのは...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...帆柱が際立つた黒い木立(こだち)のやうに見えて両岸(ぎし)にそれぞれ寄りかたまつて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...かうしたパリの女達の中には、際立つて、その振舞ひが彼女の心を惹きつけた程の人もないではなかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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