...これと際立つところはないが靜子が吉野の事といへば何より大事にしてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...高音中音(ソプランアルト)の冴えた唄に際立つ次中音(テノル)の調子を交へた...
石川啄木 「鳥影」
...この佛には別に際立つてこれといふ程の秀れた技術も無ければ...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...どこか人品が際立つて秀れてゐるところが有るんだよ...
薄田泣菫 「茶話」
...両肩のあたりに真白な刺毛(さしげ)が際立つて光つてゐるので...
薄田泣菫 「独楽園」
...鏡に映つた女の顔は際立つて美しかつたのをKは見た...
田山録弥 「海をわたる」
...その闇の中に際立つて明るい灯が見えた...
田山録弥 「百日紅」
...一層白いその顏があたりに際立つて見られた...
田山花袋 「道綱の母」
...おつくりも何もしないのでそれと際立つて美しくは見えてゐないけれども...
田山録弥 「モウタアの輪」
...ああ書けかう書けと注文される位なものだ」「そんな馬鹿なことはない」と否定する山本氏の聲が際立つてきこえた...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...かれの特に際立つた功績は...
波多野精一 「時と永遠」
...それが際立つて新しく騷しかつたから禁制もしたのであらう...
三田村鳶魚 「女順禮」
...うす衣(ぎぬ)ばかりの曲線の際立つ姿で腰かけてゐると...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...際立つて世馴れた口をきく人が居た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...その煙りが夕闇の中で際立つて見えてゐる...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...嬌(なまめ)かしさとが際立つようにみえた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...それは次第に際立つて見え出して來た同じ色をした第二の氷島と連接して擴がつてゐた――併しこの第二の氷島なるものは幻影であつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...その銅の色が際立つやうに見えてゐた...
和辻哲郎 「西の京の思ひ出」
便利!手書き漢字入力検索