...物言ふ聲が際立つて鼻にかゝる...
石川啄木 「赤痢」
...この佛には別に際立つてこれといふ程の秀れた技術も無ければ...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...須磨子の芸術が段々際立つてよくなつて来ると共に...
薄田泣菫 「茶話」
...どこか人品が際立つて秀れてゐるところが有るんだよ...
薄田泣菫 「茶話」
...だのいふ物を何となく鮮明に何となく際立つて見せてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それ迄は別にこれと云ふ際立つた意識もなく過して来たのだつたが...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...私達の顔は蒼白くあたりに際立つて見えてゐたに相違なかつた...
田山録弥 「あさぢ沼」
...それでもランプの光を強く受けた頬の一部は際立つて白く見えた...
長塚節 「開業醫」
...背景の樅(タンネ)が緑林に對して一層赤赤と際立つて見えるが...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...ああ書けかう書けと注文される位なものだ」「そんな馬鹿なことはない」と否定する山本氏の聲が際立つてきこえた...
長谷川時雨 「むぐらの吐息」
...超越性の際立つて鮮かなるものと然らざるものとがある...
波多野精一 「時と永遠」
...一人は白髪の際立つ老人で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...彼の様子は打ち眺めたところ別段に際立つてぐで/\してゐるといふわけでもなく...
牧野信一 「月あかり」
...日に焼けた顔からくっきり際立つ白い額には...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...際立つた文体変遷の初ではあるが...
水野葉舟 「言文一致」
...際立つて世馴れた口をきく人が居た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...帆柱が際立つた黒い木立(こだち)のやうに見えて両岸(ぎし)にそれぞれ寄りかたまつて居た...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...さほどに際立つたものでなく...
若山牧水 「秋草と虫の音」
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