...渺茫(びょうぼう)として際涯なく黒い海面は天に連なり...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...西(にし)には崑崙雪山(こんろんせつざん)の諸峰(しよぼう)が際涯(はてし)なく連(つらな)り...
伊東忠太 「妖怪研究」
...其存在の効果は無際涯である無尽蔵である...
内田魯庵 「灰燼十万巻」
...際涯(はてし)のない暗闇の中に...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...」「崇(とうと)き憤り!」「際涯なき自由!」彼は...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...天空の蒼々として際涯なきを見て...
高木敏雄 「比較神話学」
...まつ青な太平洋が土手のやうに高くつづいて際涯(さいはて)の無い水平線が風景を両断する...
高村光太郎 「智恵子抄」
...水面忽ち濶(ひら)け雲煙蒼茫として際涯を知らない...
近松秋江 「湖光島影」
...それは際涯なき悲惨である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...一望際涯(いちぼうさいがい)のない高原にも...
中島敦 「李陵」
...郊外(かうぐわい)に際涯(さいがい)もなく植(うゑ)られた桃(もゝ)の花(はな)が一杯(ぱい)に赤(あか)くなると其(そ)の木陰(こかげ)の麥(むぎ)が青(あを)く地(ち)を掩(おほ)うて...
長塚節 「土」
...四邊(あたり)は程よく森々と繁つた黒木の際涯(はて)しない林續きで...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...今迄光線のよく通らない際涯のない森林を通つて來て急に闊然と眼界が開けたので...
沼井鐵太郎 「黒岩山を探る」
...南にひらけて際涯ないイシカリの野につづいている...
本庄陸男 「石狩川」
...原始のままに放りだされた樹林の濤(なみ)には際涯が無い...
本庄陸男 「石狩川」
...天の際涯(はて)から地のドン底まで...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...際涯(さいがい)なき曠野の十方に展(ひら)くのである...
吉川英治 「平の将門」
...野は際涯(さいがい)もなく広いという...
吉川英治 「源頼朝」
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