...これこそ本当(ほんま)の蟻の匍いでる隙間もない――というやつでござります」「たいへんな警戒ぶりだネ」「へえ...
海野十三 「蠅男」
...内函との寸分の隙間もない接触工合を調べてみ...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...あるいは座敷が狭くて床を敷くともう幽霊の出てくる隙間もないほどに...
橘外男 「蒲団」
...隙間もない茂りの緑は霜にややさびて得(え)も云われぬ色彩が梢から梢へと柔らかに移り変っている...
寺田寅彦 「森の絵」
...隙間もないほど立ち並んでる赤塗りの鳥居に...
豊島与志雄 「非情の愛」
...其のかげになつて薄暗く妙に涼しい座敷の畳の上には歩く隙間もないほどに...
永井荷風 「虫干」
...つまり釣と兄の性質とはぴたりと合ってその間に何の隙間もないのでしょうが...
夏目漱石 「私の個人主義」
...四方から蠣殻町一円を蟻のはいでる隙間もないよう押しかこんでしまった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...蟻の這入(はい)る隙間もないとはこの事であった...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...殆ど隙間もない位...
堀辰雄 「晩夏」
...そこの芝生には気まゝ勝手の姿の学生達が隙間もない位ゐに一杯寄り集ふてゐるのが慣ひであつたから...
牧野信一 「奇友往来」
...隙間もない慈(いつく)しみの介抱(かいほう)を受けながら...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...男の靴の置く隙間もないくらゐであつた...
室生犀星 「はるあはれ」
...病院にいてもこんな時間に隙間もない生活をしていたら...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...隙間もないように艶々しい髯をたくわえていた...
吉川英治 「三国志」
...びっしりと隙間もないほど砂浜を彩っていた...
蘭郁二郎 「地図にない島」
...蟻の這ふ隙間もないまでに色々なものが植ゑてあつた...
若山牧水 「梅雨紀行」
...それこそ指でさす隙間もないほどぎつちりと咲き群がるのださうである...
若山牧水 「鳳來寺紀行」
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