...煙草店の主婦が用事に立っている隙に通り過ぎたのかも知れない...
江戸川乱歩 「悪霊」
...その隙に、怪物は一飛びで、小林少年に飛びかかった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...呂将軍は急務を片附けて隙になりました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...力をゆるめた隙に...
直木三十五 「南国太平記」
...咄嗟(とつさ)の隙に乘じた平次...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その隙にジドコウスキーとボトロフが皇帝...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...その隙にずんずん化粧室へ闖入してやつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「狂人日記」
...すっと隙につけ入って...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ちょうど途絶えたその隙に私は何者かから背後から押し込まれたように柴折戸を辷り込んで...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...シロはその隙に起き上って完全に敵を組みしいて噛みついた...
室生犀星 「幼年時代」
...少し番所舟を集めて呉れればその隙に脱出できるだろう」「よし...
山本周五郎 「新潮記」
...その日その日の生活の間隙にハッキリと感じつつ...
夢野久作 「探偵小説の正体」
...もっとも、秦野屋という策士が、あとから一行にまじっていますから、どういう隙に、四ツ目屋や雲霧の目をぬすんで、お蝶にことばをかわしているか、その辺のことは察しかねます...
吉川英治 「江戸三国志」
...さすがの玄蕃もとんとんと二足三足よろけて行った隙に...
吉川英治 「剣難女難」
...満座はとたんに、爆笑となって、高坏(たかつき)が仆れるやら、その隙に、目ざす妓を抱えるやら、そろそろ、無礼講らしい...
吉川英治 「私本太平記」
...室内の眼が、それへ振り向いて、気を休めた隙に、忍びの者らしい男の影は、もう風と闇の中に紛(まぎ)れていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――そして?」「わずかな隙に...
吉川英治 「親鸞」
...ふと国王が傍見(わきみ)せられた隙に...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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