...――そんな場合には葉子はもとよりその瞬間に稲妻のようにすばしこく隔意のない顔を見せたには違いなかろうけれども...
有島武郎 「或る女」
...不自然な隔意もなく...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...会って見れば少しも隔意がなく打解けていた...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...財政の調整の根本に関して隔意なき意見の交換を遂げたる結果相互の諒解を深めその大綱に関し意見の一致を見たり」という六十五字である...
戸坂潤 「社会時評」
...市木さんと隔意なく話をし交際したのは...
豊島与志雄 「絶縁体」
...逢えば隔意なく話をする...
夏目漱石 「虞美人草」
...先生はそれらの人々と隔意なく...
額田六福 「解説 趣味を通じての先生」
...其醫に萬事隔意なく問合...
福澤諭吉 「養生の心得」
...鋭さと隔意(かくい)との結合は人を鼓舞するよりもかなり當惑させようとかゝつてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...張りつめた隔意(かくい)の氷を破ることは...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...老幼賢愚の隔意なく胸襟(きょうきん)を開いて平々凡々に茶を啜(すす)り...
夢野久作 「近世快人伝」
...表面から見ますと何等の隔意もないように思われまするにも拘らず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...此夜はまことに面白く隔意なく語つて眠に就きましたが...
横瀬夜雨 「花守」
...御隔意(かくい)なく...
吉川英治 「大岡越前」
...……ご隔意なく打明けてください...
吉川英治 「三国志」
...菊畑へ出て見てもらおう――などと隔意(かくい)もないもてなしである...
吉川英治 「新書太閤記」
...津時成(ときしげ)などで……どれも隔意のない友人ばかり...
吉川英治 「平の将門」
...隔意(かくい)のない御意見もあらば...
吉川英治 「茶漬三略」
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