...貴方(あんた)の位(くれえ)隔てなくして呉れる人(しと)ア無えだもの...
石川啄木 「菊池君」
...頸城(くびき)の平野を隔てて妙高(みょうこう)山が屹立(きつりつ)していて...
高頭仁兵衛 「平ヶ岳登攀記」
...一本の道路を隔てて甲南女学校がある...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この人には隔(へだ)てをおかずに話ができるという気もした...
田山花袋 「田舎教師」
...眼が見えるのです――それに程よい間隔を置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...二人の隔(へだた)りは...
夏目漱石 「草枕」
...二人から少し隔(へだた)った所に席を取った...
夏目漱石 「明暗」
...――身分の隔(へだた)りの為に思う男女が添い遂げられないなどは今から考えると馬鹿馬鹿しい話ですが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...入口を隔(へだ)てて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こうして卓を隔てて会話をいたすと申しますのも...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...我から隔(へだて)の関を取除(とりの)け...
二葉亭四迷 「浮雲」
...まずファランを安全な場所に隔離しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...壁隔て室内に一婢ありて臥す...
南方熊楠 「十二支考」
...「ことならばならしの枝にならさなん葉守(はもり)の神の許しありきとまだ御簾(みす)の隔てをお除きくださらないのが遺憾です」と言った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...疎隔(そかく)の生活を続けていたのにかかわらず...
柳田国男 「海上の道」
...入江の水が外海から隔絶して静かになれば...
柳田國男 「地名の研究」
...時を隔てて何知らう...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...なんらの隔(へだ)ても意識しない容子(ようす)で...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索