...随所にゐる虱をてんでに茶呑茶碗の中へ...
芥川龍之介 「虱」
...群衆と群集精神とは随所にはびこつて「質(クオリティ)」を破壊しつつある...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「少数と多数」
...それが行軍路の随所にあった...
梅崎春生 「狂い凧」
...随所に於いてそれを発見した...
太宰治 「津軽」
...一陌(いっぱく)の金銭便(すなわ)ち魂を返す公私随所に門を通ずべし鬼神徳の生路を開くあり日月光の覆盆を照すなし貧者何に縁(よ)ってか仏力を蒙(こうむ)らん富豪容易に天恩を受く早く善悪都(すべ)て報(むくい)なしと知らば多く黄金(こがね)を積んで子孫に遺さん詩が出来るとは面白そうにそれを朗吟した...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...美術工芸に反映した日本人の自然観の影響もまた随所に求めることができるであろう...
寺田寅彦 「日本人の自然観」
...随所に郁太郎を連れて行って...
中里介山 「大菩薩峠」
...いや、改まってそんな保証をするまでもなく、この男としては今日まで、一定の寝室と、一揃いの寝具によって一夜を御厄介になることよりも、居たところ、立ったところが、随時随所に、坐作(ざさ)寝食の道場なのだから、湯炉炭(かくとうろたん)の上に寝ることも、平常底(へいじょうてい)の修行の一つと見てよろしいかも知れません...
中里介山 「大菩薩峠」
...常に彼の言葉の随所に見出せるのではなかろうか...
中島敦 「狼疾記」
...かく消極的に活力を節約しようとする奮闘に対して一方ではまた積極的に活力を任意随所に消耗しようという精神がまた開化の一半を組み立てている...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...変化(へんげ)の類が随所に跳梁する薄気味の悪い仇うち物であった...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...随所に和洋楽をはさんで演じた...
正岡容 「わが寄席青春録」
...私は随所に工藝史の修正増補を求める...
柳宗悦 「工藝の道」
...随所に御落胤あり夫婦養子あり廃嫡あり失踪者(しっそうしゃ)ありという結構で宗祖なる常世とはぜんぜん血縁関係のないことを証明しておるのである...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...随所に斥候の兵を出した...
吉川英治 「三国志」
...寄手は随所に奮い立ったが...
吉川英治 「私本太平記」
...分離の争乱が随所に起った...
吉川英治 「新書太閤記」
...戦略的施設も随所に多い...
吉川英治 「新書太閤記」
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