...殊に彼等の生きてゐた時代は仏蘭西(フランス)のロココ王朝と共に実生活の隅隅(くまぐま)にさへ美意識の行き渡つた時代だつた...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...若党と三人で松明(たいまつ)を点(つ)けて庭の隅隅(すみずみ)を調べて廻った...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...どこの寺へ行つても多くの熱心な信者が本堂の隅隅に膝まづいて十字を切つて拜んでるのが見られるが...
野上豐一郎 「聖ロヨラ」
...そしてどこの岩の隅隅にも...
萩原朔太郎 「宿命」
...どこの隅隅からでも引つ張り出さずにおくものかと云ふ気組で居たのであつたが...
平出修 「夜烏」
...かれは、三人ともみな魚のような大きな口をあけて、うすぐらい室でうたい出すのをきいていると、本願寺の境内のくらやみや、公園の隅隅、それから町裏などに歌ってる帽子をも冠らない浮浪人のむれを思い出すのであった...
室生犀星 「幻影の都市」
...灯籠も古い石仏を刻んだのが隅隅の目立たぬところにあり...
室生犀星 「故郷を辞す」
...平常の行為の隅隅に挟まれているような気がするのであった...
室生犀星 「幼年時代」
...心理の隅隅にまで行きわたっている...
横光利一 「夜の靴」
...この古い仏閣のような街の隅隅から今までかすかに光りをあげていたものが次第に光度を増して来るのだった...
横光利一 「旅愁」
...豊かな水の拭き潔めてゆくその隅隅の清らかさを想像して...
横光利一 「旅愁」
...隅隅から自分を照し出してみる...
横光利一 「旅愁」
...日の射している座敷の隅隅から...
横光利一 「旅愁」
...金色(こんじき)の笑ひ天の隅隅(すみずみ)に降り注ぐ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...その下に波打つ幾線の鉄の縄が世界の隅隅(すみずみ)までを繋(つな)ぎ合せ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...その下(もと)に波打つ幾線の鉄の縄(なは)が世界の隅隅(すみ/″\)までを繋(つな)ぎ合せ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...今日の行政長官張煥相の露骨な排外思想は隅隅に行亘り...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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