...今は貧弱な片隅か...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...片隅では、渋皮(しぶかわ)の剥(む)けた娘をつれた母親が眉を釣りあげて怒っていた...
海野十三 「空襲葬送曲」
...劇薬は一隅(いちぐう)に設(もう)けられた戸棚の中に厳重に保管されてあった...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...隅(すみ)に寝ている川北先生の方を指した...
海野十三 「四次元漂流」
...どこかの隅に(ごく間近な所かも知れません)人殺しの極悪人がモゾモゾしているのです...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...当るのには訳があって私は谷中の墓地は隅々まで精通していたから...
高村光太郎 「回想録」
...行燈を持ち廻って部屋の隅々(すみずみ)まで捜したが...
太宰治 「新釈諸国噺」
...むこうの左隅には小さな机があって...
田中貢太郎 「青い紐」
...二人は丁寧に御辞儀しながら、片隅へ坐って、俯向いていた...
直木三十五 「南国太平記」
...東都名所の中(うち)その画題を隅田川花盛(はなざかり)となしたる図の如きを見よ...
永井荷風 「江戸芸術論」
...客も女給も諸共(もろとも)に酔倒れるように片隅のボックスに腰を落すと...
永井荷風 「ひかげの花」
...どこかの隅で見つけないことはないのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼は室の隅(すみ)に畳んであった薄汚ない蒲団(ふとん)を敷いて...
夏目漱石 「門」
...吾輩は今までこんな事を見た事がないから心ひそかに喜んでその結果を座敷の隅から拝見する...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...今でも一隅にいっさい精霊もしくは無縁仏の座を設けて...
柳田国男 「年中行事覚書」
...羽織の袂の裏を返すと隅に白糸三筋縫い込んである...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...いつの間にか不思議にがら空(あ)きになっているカフェーの片隅に...
夢野久作 「暗黒公使」
...晨が書棚の横の五寸と一尺程のひこんだ隅に立つて居た事に気が附いたのである...
與謝野晶子 「帰つてから」
便利!手書き漢字入力検索