...と座敷の四隅に目を配りぬ...
泉鏡花 「活人形」
...姉は棕梠箒(しゅろぼうき)で座敷を隅から隅まで...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...職人等の下駄を片よせた土間の隅に放り出してあつたのです...
伊藤野枝 「火つけ彦七」
...同時に、またかの女は近所のちよツとした踊りの師匠へ通つたので、二階の片隅では、しよツちう、五十錢であつらへて貰つたとか云ふ花やかなあふぎが擴げられたり、閉ぢられたりした...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...どうも見当(けんとう)がつきませんが……」どうやら隅田乙吉は...
海野十三 「赤外線男」
...竜宮のどこかの隅に捨てて置いたつていいぢやないか...
太宰治 「お伽草紙」
...と小さく隅に書かれていた...
太宰治 「火の鳥」
...部屋の片隅(かたすみ)のストーヴにあたっている...
太宰治 「冬の花火」
...隅(すみ)に置いた自分の背嚢と銃とがかれの眼に入った...
田山花袋 「一兵卒」
...そのあひだに交代の男がかた隅で弁当をつかつてたのを相手をなくしてぶらぶらしてたもう一羽の駝鳥がこつそり寄つてつていきなり弁当を呑まうとしたもので男はあわてて飛びのいた...
中勘助 「銀の匙」
...恐らく江戸文学を離れて隅田川(すみだがわ)なる自然の風景に対する事は出来ないであろう...
永井荷風 「夏の町」
...割合楽に席の取れそうな片隅(かたすみ)を択(えら)んで...
夏目漱石 「明暗」
...ソオルは溜間(ロビー)の一隅で首を長くしてゐた...
南部修太郎 「死の接吻」
...欧州の隅々へ報道されるのも防ぎようがないけれども...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...――五人の者たちは隅へさがって...
山本周五郎 「花も刀も」
...それから片隅の手洗場のコックを捻(ねじ)って...
夢野久作 「一足お先に」
...楽堂の片隅に身を狭(せば)めながら自分相応の小さな楽器を執って有名無名の多数の楽手が人生を奏(かな)でる大管絃楽の複音律(シンフォニイ)に微(かす)かな一音を添えようとするのが私の志(こころざし)である...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...怖(お)じるように隅へ身を退(ひ)いた...
吉川英治 「親鸞」
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