...大隅は博士の不在を説明してドクトルを本館に案内していった...
海野十三 「地球盗難」
...部屋の隅に垂れている天鵞絨のカーテンが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...チラリと頭の隅にうかんだ...
大下宇陀児 「擬似新年」
...おくみは座敷の方の片隅から掃いて行つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...隅の炬燵(こたつ)で小さくなつてゐた...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...東の隅は?』『陸を行けば...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...」ラエーフスキイはまた興奮して隅から隅へ一往復し...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...大勢人がごたついてゐる待合室の隅の方に...
土田耕平 「時男さんのこと」
...柱の影や階段の隅を選んだ...
豊島与志雄 「微笑」
...その片隅に、竹藪があり、竹藪のそばに四五本の李(すもも)の木があって、白い花が咲いていました...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...私は昔水戸家(みとけ)へ出入りしたとか云う頭(かしら)の清五郎(せいごろう)に手を引かれて、生れて始めて、この古庭の片隅、古井戸のほとりを歩いたのであった...
永井荷風 「狐」
...石油色の隅田川、みていると、みかんの皮、木裂(こっぱ)、猫のふやけたのも流れている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...正三は事務室の片隅で釦を数へてゐた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...」「そのイワン・アントーノヴィッチは何処にいるんです?」老人は別の隅を指さした...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼の眠がりな頭の隅に残してゐるばかりだつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...隅々が奇麗に洗ってあることも少ないのでありますから従って不潔ではありませんか...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...刑事の眸(ひとみ)は眼の皮の左の隅に寄って...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...たとえばあの西北隅に立っている広目天(こうもくてん)の眉をひそめた顔のごとき...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
便利!手書き漢字入力検索