...いつか憎悪を孕(はら)んで居る険悪な調子を帯び始めた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...かえって険悪な表情に見えた...
梅崎春生 「日の果て」
...そのまま険悪な天候にとじこめられてしまって...
海野十三 「地底戦車の怪人」
...或る人たちとは険悪な間がらだったし...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...ともすると病苦と一つになってひどく険悪なものにして来る...
徳田秋声 「仮装人物」
...こうした憎悪がこれほど険悪な経過をとってきたのは...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...険悪な表情をするが...
豊島与志雄 「囚われ人」
...彼女はきわめて険悪な一夜を過したのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...如何に民羸の甚しく人心の険悪なるかを語つてゐる...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...非常に険悪な方向へむいて進んで行きながら...
夏目漱石 「こころ」
...その険悪な眼と怒(いかり)に顫(ふる)える唇とを見た...
夏目漱石 「道草」
...ここへ来るまでの平次の顔色は全く今まで八五郎が見たこともないような険悪なものでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」二人の険悪な様子を眺めてゐた百合子は...
牧野信一 「南風譜」
...だん/″\にその顔が曇りを帯びて険悪な色の漂うて来たのを見た...
牧野信一 「白明」
...険悪な空をまた見上げていると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それほど険悪なのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
...黒衣の人間の険悪な顔を姿見に認めて...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
...時にはひからびた額に刻まれた険悪な皺や...
渡辺温 「絵姿」
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