...世界の全同胞にとって恐るべき険悪なる事態が急にやって来たのだ...   
海野十三  「地球発狂事件」 
...庵の空気の険悪なのに避(マヽ)易して直ぐ帰つてしまつた!・梅雨空おもく蜘蛛と蜂とがたたかふ・焼かれる虫のなんと大きい音だ・頬白がよう啼いて親鳥子鳥・何もないけどふるさとのちしやなます(砂君に)・話しても話しても昔話がなんぼうでもとんぼ通りぬけさせるこんな句も・けさも二人でトマト畑でトマトをたべる(新夫婦に)(一人ならば私だ!)六月十五日空も私もすこし晴れてきたが...   
種田山頭火  「其中日記」 
...ここから車馬も通わぬ険悪な山路(やまみち)を二...   
近松秋江  「狂乱」 
...険悪な天候もどの点で彼を凌駕すべきかを知らなかった...   
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」 
...もしそれ必要ありとせばもってわが社会ははなはだ険悪なるを証すべく...   
徳富蘇峰  「将来の日本」 
...眉をひそめて険悪な表情になってゆきました...   
豊島与志雄  「死因の疑問」 
...それは気持の険悪な証拠だった...   
豊島与志雄  「人間繁栄」 
...八重子はともすると険悪な言葉付になって...   
豊島与志雄  「人間繁栄」 
...人を呑みそうな険悪な人相と...   
中里介山  「大菩薩峠」 
...その険悪な眼と怒(いかり)に顫(ふる)える唇とを見た...   
夏目漱石  「道草」 
...明らかにそれ以外の非常に険悪ななにか犯罪に類したことを話しあっていたのではなかったかというような気がした...   
久生十蘭  「黒い手帳」 
...たがいに敵意をかくしながら険悪な対峙をつづけていた...   
久生十蘭  「ノア」 
...ドイツとロシアの政治の険悪な度がここに現れたのだ...   
横光利一  「欧洲紀行」 
...彼は険悪な空気の舞い上るのを沈めるように...   
横光利一  「上海」 
...そこの饗応屋敷をめぐって険悪な臆測をさまざまにし...   
吉川英治  「私本太平記」 
...古来警備に手を焼いている険悪な山岳が三ツある...   
吉川英治  「新・水滸伝」 
...険悪なものを孕(はら)んできて...   
吉川英治  「親鸞」 
...この険悪な象(かたち)のなかに...   
吉川英治  「源頼朝」 
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