...今度死ぬのは自分かも知れないと云ふ険悪な恐怖の影を...
芥川龍之介 「枯野抄」
...いつか憎悪を孕(はら)んで居る険悪な調子を帯び始めた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...家の中には隅々まで和(やわ)らかな気分が広がつてゐて、逸子のねらつてゐるやうな、険悪な機会は、何処にも潜んではゐなかつた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...かえって険悪な表情に見えた...
梅崎春生 「日の果て」
...女房の方も負けず劣らず険悪な表情をしているので...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...もしそれ必要ありとせばもってわが社会ははなはだ険悪なるを証すべく...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...険悪な国際情勢から来る圧力...
豊島与志雄 「囚われ人」
...それは気持の険悪な証拠だった...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...高子は容態が却って険悪な方に傾いてゆくのを見て取った...
豊島与志雄 「二つの途」
...険悪な空気になった...
豊島与志雄 「別れの辞」
...お母さんは危険だからと云って下へ降りて行かれたくらい揺れた」自分は兄の眼色の険悪な割合に...
夏目漱石 「行人」
...非常に険悪な方向へむいて進んで行きながら...
夏目漱石 「こころ」
...かなり険悪な顔をしていて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...そこの饗応屋敷をめぐって険悪な臆測をさまざまにし...
吉川英治 「私本太平記」
...その険悪な大勢の顔からは...
吉川英治 「親鸞」
...険悪なものを孕(はら)んできて...
吉川英治 「親鸞」
...むしろ大挙して襲(や)ってくる険悪な雲の相(すがた)を思わせるものがある...
吉川英治 「親鸞」
...この険悪な象(かたち)のなかに...
吉川英治 「源頼朝」
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