...いつか憎悪を孕(はら)んで居る険悪な調子を帯び始めた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...かえって険悪な表情に見えた...
梅崎春生 「日の果て」
...今日の市会の険悪な雲行が露骨に反映しているかのようであった...
海野十三 「深夜の市長」
...彼等が船へ帰って来た時にはそれはほんとうに険悪なものとなって来た...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...へんな重苦しい険悪なところなど少しも私には見受けられませんでした...
太宰治 「右大臣実朝」
...高等法院長が来て険悪な状態を示しましたが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...憂鬱で険悪な逗子の家からもしばらく離れていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...彼女はきわめて険悪な一夜を過したのだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...気候風土の険悪なところよりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...非常に険悪な方向へむいて進んで行きながら...
夏目漱石 「こころ」
...険悪な状態に向いました」十一老人は...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...険悪な天候がつづいている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...彼は険悪な空気の舞い上るのを沈めるように...
横光利一 「上海」
...そこの饗応屋敷をめぐって険悪な臆測をさまざまにし...
吉川英治 「私本太平記」
...古来警備に手を焼いている険悪な山岳が三ツある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...険悪な輿論(よろん)を起そうとは思わないので...
吉川英治 「親鸞」
...四明(しめい)ヶ岳(だけ)の彼方(かなた)から吉水の一草庵におおいかぶさってくるように険悪な風雲を感じながら...
吉川英治 「親鸞」
...現下の険悪な世情は...
和辻哲郎 「蝸牛の角」
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