...少し怪訝(けげん)そうに葉子のいつになくそわそわした様子を見守る青年をそこに捨ておいたまま葉子は険しく細い階子段(はしごだん)を降りた...
有島武郎 「或る女」
...険しい目で葉子をちらっと見た...
有島武郎 「或る女」
...目尻に少許(すこし)険しい皺があるけれど...
石川啄木 「天鵞絨」
...しかし皆何故水から引き上げられた犬みたいに険しい惨(みじ)めな眼付をしているのだろう...
梅崎春生 「蜆」
...どんなに険しい道であろうと...
海野十三 「海底都市」
...更に拒めば叱りつけそうな険しさだった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...人間が海の底を探険しても...
太宰治 「お伽草紙」
...母も険しい眼付をした...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...俊太郎は、険しい眼をして、「ここへ、一寸、腰をかけて...
直木三十五 「ロボットとベッドの重量」
...観客が険しい眼をして見るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に険しい顔つきになって...
久生十蘭 「金狼」
...ふと彼の険しい顔色に気がつくと...
北條民雄 「道化芝居」
...そして英雄(ヒデヲ)のこと……」「あなたでも英雄(ヒデヲ)のことなんか考へることがあるの?」「黙れ! 考へると云つたつて……」と彼は険しく細君を退けたが...
牧野信一 「父を売る子」
...世渡りの道の険しさ...
正岡容 「寄席」
...険しい巓(いただき)の上の空に...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...兄上は兄上だけの御生活をしていて下さればよいのに」それでなくとも近頃また老臣たちの眼が兄の身辺に険しくなりだしている...
山本周五郎 「新潮記」
...この日はもっとも険しい...
吉川英治 「私本太平記」
...眉根の険しい感じのする...
渡辺温 「ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」
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