...純粋な文体(スタイル)の美しさに陶然とする至福の境地に...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...陶然として名手の樂に聽く時と孰れぞ...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...あわれさに陶然としていたいのだ...
太宰治 「パンドラの匣」
...うまい工合に陶然となって来ないのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お春のお酌(しゃく)で陶然となって...
谷崎潤一郎 「細雪」
...……陶然として、悠然として酔ふた、そして寝た、寝た、宵の七時から朝の七時まで寝つゞけた...
種田山頭火 「其中日記」
...俺の心は陶然としていた...
豊島与志雄 「過渡人」
...六月の宵!……十七才!……人はほろ酔ひ陶然となる...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...宜い加減陶然とした二人でした...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...見るほどのものを陶然とさせ...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...私は長い間陶然としてゐた...
北條民雄 「発病した頃」
...酔ふほどに気分は大きく、陶然とする僕は、北溟ニ巨魚アリ身ノ長(たけ)数千里仰ギテハ三山ノ雪ヲ吐キ横サマニ百川ノ水ヲ呑ムと非常にうたふのであつたが、そんなに広い処なので、誰もゐないと同様で、どこにも迷惑などは及ぼさぬのであつた...
牧野信一 「自烈亭」
...霞(かす)むともなくうらうらと晴れ渡った長閑(のどか)な村の景色を眺めると思わず陶然として...
牧野信一 「ゼーロン」
...今や私のローマンスの世界に到達したかのやうな鮮やかな夢心地に陶然としてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...天地も陶然として凱歌を挙げるひとときに止めを刺すと申すべきであらう...
牧野信一 「緑の軍港」
...お前のような、艶々(つやつや)した顔色の者がなんで……は、は、は」陶然と、今度は、反対な方を向いて、「久米之丞...
吉川英治 「江戸三国志」
...『いでゆ』のねらう所は恐らく温泉のとろけるように陶然とした心持ちであろう...
和辻哲郎 「院展遠望」
...陶然とした酔い心地を経験していたのであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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