...痛みからのみ来る奇怪な快感とを自分自身に感じて陶然と酔いしれながら...
有島武郎 「或る女」
...当初(はじめ)から酔わなきゃ話せないで陶然としていたが...
泉鏡花 「婦系図」
...陶然として身を安楽椅子の安きに託したる武男は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...陶然とよき心地(ここち)になりて浴を出(い)で...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...そうだそうだそう山形(やまがた)に置くものだ」はや陶然と色づきし山木は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...上海のその料亭で陶然とした私の心に浮んだものは...
豊島与志雄 「文学以前」
......
中島敦 「和歌でない歌」
...陶然とはこんな事を云うのだろうと思いながら...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...宜い加減陶然とした二人でした...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...でも、二つ三つ傾けると、陶然として、天下泰平になる八五郎です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...智海が陶然と法悦にひたりこんでいると...
久生十蘭 「新西遊記」
...陶然と坐っているミミイ嬢を発見したのである...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...ウイをのみ、陶然となり、十二時半にねた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...今でも陶然とする度毎には...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...今や私のローマンスの世界に到達したかのやうな鮮やかな夢心地に陶然としてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...若しも陶然としてさへゐれば...
牧野信一 「半島の果にて」
...さうすると、今朝は、ここで、フアテイアの壺に白薔薇の花を咲かせて戴けるといふことになり、私は大儲けの悦びを持ち、先生は、忽ち陶然として、お互ひに誠にお目出度い朝になるといふものです...
牧野信一 「山彦の街」
...陶然としてしまつた加茂が関はず声を挙げて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
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