...晩酌に陶然とした忠太は...
石川啄木 「天鵞絨」
...純粋な文体(スタイル)の美しさに陶然とする至福の境地に...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...陶然とした気持になって...
高神覚昇 「般若心経講義」
...殺してくれない?」陶然とした言葉は...
高見順 「いやな感じ」
...一杯二杯三杯で陶然として自然人生に同化するのが幸福だ(こゝでまた若山牧水...
種田山頭火 「行乞記」
...陶然とよき心地(ここち)になりて浴を出(い)で...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...長谷川も陶然として...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...智海が陶然と法悦にひたりこんでいると...
久生十蘭 「新西遊記」
...酔い痴(し)れたるがごとくに陶然とした...
久生十蘭 「ひどい煙」
...その美しいみめかたちに見惚れて陶然とするのであつた...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...陶然として見惚れずには居られなくなつたといふのであつた...
牧野信一 「熱海線私語」
...何処ででも私は忽ち陶然として野蛮な饒舌家に変るのが常習の筈だつた...
牧野信一 「熱い風」
...私の腕はいつも異様な酒の酔いで陶然としているみたいだったから...
牧野信一 「鬼涙村」
...空想の虹に想ひを馳せて無言のリズムに酔つた如くに陶然としてうつとりと首を傾げてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...今や私のローマンスの世界に到達したかのやうな鮮やかな夢心地に陶然としてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...若しも陶然としてさへゐれば...
牧野信一 「半島の果にて」
...母も玲瓏たる思ひの長けに陶然とするであらう――...
牧野信一 「風流旅行」
...ルネツサンス芸術の保護者であつた貴族メデイチ家(け)の霊廟をサン・ロレンツオ寺(じ)に訪(と)うてミケランゼロの建築に良(やゝ)久しく陶然とした...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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