...しかしその陶然と赤くなつた顔は...
芥川龍之介 「南京の基督」
...痛みからのみ来る奇怪な快感とを自分自身に感じて陶然と酔いしれながら...
有島武郎 「或る女」
...終日陶然としてイイ心持でした...
内田魯庵 「最後の大杉」
...殺してくれない?」陶然とした言葉は...
高見順 「いやな感じ」
...……陶然として、悠然として酔ふた、そして寝た、寝た、宵の七時から朝の七時まで寝つゞけた...
種田山頭火 「其中日記」
...興に乗じて陶然として遊ぶのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...悟浄はしだいに陶然としてきた...
中島敦 「悟浄出世」
...いつかは陶然とした氣持になつてゐたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎は陶然としましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...智海が陶然と法悦にひたりこんでいると...
久生十蘭 「新西遊記」
...ウイをのみ、陶然となり、十二時半にねた...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...何処ででも私は忽ち陶然として野蛮な饒舌家に変るのが常習の筈だつた...
牧野信一 「熱い風」
...酔ふほどに気分は大きく、陶然とする僕は、北溟ニ巨魚アリ身ノ長(たけ)数千里仰ギテハ三山ノ雪ヲ吐キ横サマニ百川ノ水ヲ呑ムと非常にうたふのであつたが、そんなに広い処なので、誰もゐないと同様で、どこにも迷惑などは及ぼさぬのであつた...
牧野信一 「自烈亭」
...空想の虹に想ひを馳せて無言のリズムに酔つた如くに陶然としてうつとりと首を傾げてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...別段に陶然とするほどの幸福感もなかつたけれど...
牧野信一 「滝のある村」
...天地も陶然として凱歌を擧げるひとときに止めを刺すと申すべきであらう...
牧野信一 「緑の軍港」
...陶然と眼(まなこ)をかすめた...
牧野信一 「武者窓日記」
...陶然としてしまつた加茂が関はず声を挙げて...
牧野信一 「夜の奇蹟」
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