...其論者の一方は百千年來陳腐なる儒流皇學流の筆法を反覆開陳するのみにして...
飯田平作 「帝室論緒言」
...御規則とは隨分陳腐な洒落(しやれ)である...
石川啄木 「雲は天才である」
...雙峰の天に聳ゆるを馬耳に譬ふるは、已に陳腐なり...
大町桂月 「春の筑波山」
...丹後の濱の大漁踊りみたいな馬鹿騷ぎを年中やつてゐるのが龍宮だなんて陳腐な空想をしてゐたんぢやねえのか...
太宰治 「お伽草紙」
...もっとも有りきたりの陳腐な方法を追求する場合には...
寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
...なる程自由主義者は超党派的である(この超党派性が実は一つの立派な党派性だという陳腐な真理は論外として)...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...梅子はすぐこの陳腐な質問に答える義務がないかの如く...
夏目漱石 「それから」
...要するに陳腐な光景である...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...涙ながら霊を祭るとかいふ陳腐なる考(かんがえ)を有り難がるも常人ならば詮方(せんかた)なきも...
正岡子規 「俳諧大要」
...この種の歌ほど陳腐なるはあらず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...無趣味なる陳腐なる歌のみを作りしにあらずや...
正岡子規 「人々に答ふ」
...蒲団(ふとん)の類(たぐい)なるにおいては読まずしてその句の陳腐なること知れ申候...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ただ君が容易に依頼者を満足するの弊として往々粗末なる杜撰(ずさん)なる陳腐なる拙劣(せつれつ)なる無趣味なる画を成す事あり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...宿命觀はふるい考へであり陳腐な思想であり...
正宗白鳥 「新しくもならぬ人生」
...兔や角と無用な陳腐な意見を述べる氣にはなれないのだつた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...極めて陳腐な日常食品であり...
山本周五郎 「季節のない街」
...こんな陳腐な形式つてあるものぢやありません...
吉川英治 「折々の記」
...陳腐なる殻のうちに秘められたる漿液のうまさを伝えようとするのである...
和辻哲郎 「『偶像再興』序言」
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