...陰険な人は嫌われる...
...彼女は陰険に微笑んでいた...
...彼は陰険な言い方をしていた...
...陰険な噂が広まっている...
...彼は陰険な性格だ...
...そこまで邪推をたくましくする陰険さはなかったのである...
江戸川乱歩 「接吻」
...ひどく陰険な貴族である...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...死期を逸した陰険な老猫を聯想する...
谷譲次 「踊る地平線」
...必ずや陰険な仕返しをするに違いありません...
豊島与志雄 「化生のもの」
...極めて露骨な陰険な光りを帯びるようになった...
豊島与志雄 「理想の女」
...もしいい得べくんば真の優(すぐ)れたる隠語は、一王国を形成していた古代の隠語は、繰り返していうが、悲惨自身の言語に外ならないもので、醜い、不安な、狡猾(こうかつ)な、陰険な、有毒な、残忍な、曖昧(あいまい)な、賤しい、深い、宿命的なものである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...先輩に対する反感を伏蔵してゐる陰険な沈黙寡言の風は少しも認められない...
永井荷風 「来訪者」
...美名の影に隠れた漢人の陰険さより遙(はる)かに好ましい場合がしばしばあると思った...
中島敦 「李陵」
...そこで世界の各国が一国を判断する時には、その言うこと為すことの是非曲直を以て判断する、あるいはその代表者が如何なる言を発したか、如何なる行動を執(と)ったかによりて判断する、またある国が卑劣であり、姑息(こそく)であり、陰険であり、または馬鹿げたことをすれば、それは直(ただち)に世界に知れ渡るのである...
新渡戸稲造 「真の愛国心」
...なんだか亀が陰険でいやだ...
長谷川時雨 「流れた唾き」
...近東人種特有の陰険な微笑を浮べた...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...あなたに偏狭な人間だと思われようが陰険なやつだと誹(そし)られようが...
久生十蘭 「魔都」
...陰険で狡猾(こうかつ)な色が露骨に光っている...
火野葦平 「花と龍」
...決してわたくしが陰険な事をいたしたとか...
マルセル・プレヴォー Marcel Prevost 森鴎外訳 「田舎」
...この陰険な阿呆め...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...本当に乱暴で陰険な女教師なのである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...貴方に人望が集まってゆくとすると負けた人間はさらに陰険になりそうで……」すっかり量の減った水は...
山本周五郎 「いさましい話」
...おれのように図太くなれ」「まったく拙者は陰険だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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