...彼は陰気な顔を片づけて...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...陰気な顔をしながら...
芥川龍之介 「忠義」
...あのまた馬鹿野郎はどうしている――」と膝に手を支(つ)き、畳の杯を凝(じっ)と見て、陰気な顔する...
泉鏡花 「歌行燈」
...裾(すそ)のまき上った手織縞か何かで陰気な顔を...
泉鏡花 「怨霊借用」
...深山木は例の書物の山の中でひどく陰気な顔をして...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...そこで例の公爵から貰った名刺を見せて自分が宛名のフランボーだというと給仕頭の羊皮紙色の陰気な顔にも生命(いのち)の浮動がほのみえて...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...大きなからだを猫背に曲げて陰気な顔をしていつでも非常に急いでいる...
寺田寅彦 「イタリア人」
...皆おごそかな陰気な顔をしている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...家の中はどうなるでしょう? 二人で陰気な顔ばかりつき合してたら...
豊島与志雄 「野ざらし」
...それはまたしっかりした精悍(せいかん)なそして陰気な顔つきであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...お前があんまり陰気な顔をしているもんだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...その後(うし)ろに二十五六の陰気な顔をした男が...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...土壇場(どたんば)に据(す)えられたような陰気な顔をしているのはどんな訳でしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...パパは十日以前の陰気な顔になってつぶやいた...
久生十蘭 「だいこん」
...恐らくマルクスもなおさらあの陰気な顔――マルクスの顔を写真でごらんになったら...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...現実派の陰気な顔なんて見てゐないで...
牧野信一 「ゾイラス」
...繰り返して叫ぶ声が聞える)コノール! コノール! コナイル・カルナ! クウフリン! クウフリン!コノール (陰気な顔でデュアックを見ながら)聖僧(どるいど)...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...他人の神経衰弱を癒すにはまず陰気な顔をした患者を自由に操縦せねばならぬ...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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