...陰気な機械室の中で明智と恒川警部を前にして...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...陰気な興奮に燃えていた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...一体いつ頃から私がこういう世の中から棄て去られたような陰気な山寺の奥なぞに杖を曳(ひ)き出したものであろうか...
橘外男 「逗子物語」
...編集長とその陰気な机とがすぐ眼に浮かぶ...
田山花袋 「少女病」
...それで陰気なおどろおどろしい景色である...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...不意に彼は陰気な声でこう言った...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...新教的な陰気な萎縮(いしゅく)した悲哀の考えを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ふだん遊ぶのはお仏壇のあるごく陰気な三畳で...
中勘助 「銀の匙」
...陰気な鎧扉ではなしに...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その代わりに陰気なところを加えたような型で...
平林初之輔 「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」
...丁度その頃の陰気な二人の心持に適するやうに内部の装飾を施した...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...「私の後見人はチャールズ・デアル卿だと思いますが」サトーリスが相変わらず陰気な声で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...二マリナの英国大使館は陰気な建物だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...陰気な屋根裏から出て来た者――皆光りに蘇つて行楽を満してゐる様は……」斯うしてこのまゝ散歩を楽しみ帰路につけば無事だつたのを...
牧野信一 「途上日記」
...妙に陰気な沈鬱なおもむきを帯びることがある...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...陰気な軋みにつれて舞台に姿を現して来るのだった...
宮本百合子 「菊人形」
...私はそれからは非常な陰気な日を送っていた...
室生犀星 「幼年時代」
...そしてこの陰気な闇を照破(せうは)する光明のある哲学は...
森鴎外 「妄想」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??