...この陰気な平地に聳(そび)えている...
オイレンベルク Herbert Eulenberg 森鴎外訳 「女の決闘」
...執拗な陰気な顔をしてる愚かな乳母(うば)はうつとりと見惚れて...
大手拓次 「藍色の蟇」
...ただもうすすけて陰気なばかりだ...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...陰気な家政婦の方は...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...陰気な奥の方を勤めるのも張合いがなかった...
徳田秋声 「足迹」
...そう陰気な顔をしたもうな...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...音も響も何(なん)にもない陰気ないやな雨である...
永井荷風 「花より雨に」
...そうして明るい家の中(うち)に陰気な空気を漲(みな)ぎらした...
夏目漱石 「行人」
...「この狭っ苦しく陰気な部屋では大人が子供に意地悪をしてるんだからなあ!」「さあ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...窓から見えるのはいかにもシベリヤ的な陰気な風景ですが...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...今度は爪先上りの赤土のとても滑り易(やす)い陰気な坂をよじのぼらなければならない...
牧野信一 「ゼーロン」
...彼はヒヽヽヽヽと嗤ふが如き陰気な声をあげて大きな口腔(くち)を天井へ向けてあんぐりと開いた...
牧野信一 「夜見の巻」
...陰気な玄人らしい眼付をした...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...どこか陰気な煤皺(すすしわ)の寄ったような顔をしていた...
室生犀星 「天狗」
...なぜ陰気な苔や雫の垂る石に附いた餌(えさ)を蟾蜍(ひきかえる)のように啜(すす)っているのです...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...陰気なような眼つきで...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...死を隠したる片隅の陰気な蔭(かげ)のくらがりに...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...忽ち陰気な薄暗い街の中へ迷い込んで...
渡辺温 「絵姿」
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