...」洋一は陰気な顔をして...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...陰気な部屋の中を見廻しました...
芥川龍之介 「魔術」
...陰気な、不潔な、土埃の臭ひと黴の臭ひの充満(みちみち)たる家であつた...
石川啄木 「刑余の叔父」
...日頃あまり使用せぬ座敷なので、どことなくガランとして、陰気な感じだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...陰気な花嫁さんだと思わず心でつぶやきました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...家の人達と彼との間に陰気な密雲が蔽(おお)いかぶさったようになって...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...彼女が陰気な性質ではないかと云う御懸念については...
谷崎潤一郎 「細雪」
...インクと紙と化学記号からなる陰気な領土に対する彼女の忠誠ぶりは頑迷そのものだった...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「長い部屋」
...それで陰気なおどろおどろしい景色である...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...「大変陰気な室(へや)ね...
夏目漱石 「明暗」
...自分だけは陰気な暗い師走(しわす)の中(うち)に一人残っていたい思さえ起った...
夏目漱石 「門」
...こういう陰気な場所がらにはいかにも不釣りあい...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...怨みの滲みとおった陰気な口調で...
久生十蘭 「雲の小径」
...天井が陰気な谺をかえした...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...ただそういう古い樹には古いと云う事丈(だけ)が人間に何かしら陰気な考えを持たせる丈なんだ...
室生犀星 「天狗」
...平和ではあっても陰気なこの家で...
森鴎外 「かのように」
...そこは日の目のさしたこともなかろうと思われるような、陰気な冷い部屋、畳は板のように緊(しま)って固く、天井は高かった...
横光利一 「比叡」
...「虫」と綽名された、陰気な、芸の無器用な鴉黒吉が、まるで生れ変ったように、夢中になって、暇さえあれば、曲芸の稽古を始めたのだ...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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