...立派な県庁、陰気な師範学校、石割桜で名高い裁判所の前を過ぎて、四辻へ出る...
石川啄木 「葬列」
...ゾーッと陰気な風が身にしみる...
江戸川乱歩 「疑惑」
...なぜ彼はこんなに陰気な顔をしているのだろう...
田畑修一郎 「石ころ路」
...陰気な表情である...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...冬の来るのを思わせる灰色の陰気な日だった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この陰気な四壁の中で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...陰気な狭い部屋であった...
夏目漱石 「それから」
...その陰気な空気に触れた時...
夏目漱石 「門」
...これが、陰気な、見るからに気のめいるような男で、仕事ッぷりもハキハキしないところから、平素から嘉兵衛の気に入らなかったらしいんですが、こんなことがあったので、主人はすっかり腹を立て、一度は弟もろとも追い出されかかり、ようやく詫びを入れて店へ帰ったようなこともあるんです...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...陰気な眼を伏せたまま...
久生十蘭 「魔都」
...魚脂油(ぎよしあぶら)の臭いにほひが、陰気な、寂しい室中(へやぢゆう)に這ふ...
平出修 「夜烏」
...その代わりに陰気なところを加えたような型で...
平林初之輔 「ヂユパンの癖とヴァンスの癖」
...陰気な顔つきがますます渋面になった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...同じ区域の陰気な事務所を回り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...宮を囲んだ老松は陰気な影を映している...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...この陰気な牢屋の中を出て...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...)あなたは顔を蹙(しか)めて、陰気な目をして、優(すぐ)れた好運の話をお聴取(ききとり)になりますね...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...陰気な感じに襲はれた...
森鴎外 「妄想」
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