...非常に陰惨な陰気な沈鬱な執拗で吝嗇で猜疑心が深いという...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その絵の景色には、普通日本人の頭にある京都というものは少しも出ていなくて、例えばチベットかトルキスタンあたりのどこかにありそうな、荒涼な、陰惨な、そして乾き切った土地の高みの一角に、「屋根のある棺柩(かんきゅう)」とでも云いたいような建物がぽつぽつ並んでいる...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...「行ってみようか?」そう思うすぐそばから、新聞などで書きたてられている「共産党」というものの、陰惨な、暗いカゲがのしかかってきた...
徳永直 「工場新聞」
...木下は陰惨な瞬きをした...
豊島与志雄 「二つの途」
...真蒼な頬に深い皺を刻んで――私が嘗て見たことのない生々しい陰惨な皺を刻んで...
豊島与志雄 「理想の女」
...しだいに弱りゆくその陰惨な雷鳴のごとき響きを...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この厳粛なまた陰惨な物語の作者(本書の著者ユーゴー)が...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...陰惨な行為を事とするこの仲間では...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...陰惨なる時代である...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...たった今の陰惨な人生の終焉地(しゅうえんち)から...
中里介山 「大菩薩峠」
...鮮麗にしてしかも陰惨な...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...陰惨な合唱(コーラス)と共に...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「社会の人間は病院をまるで陰惨な...
北條民雄 「道化芝居」
...暗い小庭と不潔な露地(ろじ)が網の目のように入りこんでいる陰惨な一劃(いっかく)である...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...どうして斯んなにも陰惨な影に苛れ...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...陰惨な廓やらと翼をのばすのであつたが...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...実に当時の殺伐で陰惨な社会状態そのものであったことを思わなければなるまい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...夜会服の胸を刺し貫いて倒れている醜い陰惨な人相をした男の死体を発見したのであった...
渡辺温 「絵姿」
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