...「よしか森久保君……」と陣笠は安本の太平記を盲探(めくらさが)しに開(あ)けてみて「さ...
薄田泣菫 「茶話」
...郡奉行(こおりぶぎょう)の平兵衛は陣笠(じんがさ)陣羽織(じんばおり)姿(すがた)で川縁(かわべり)へ出張して...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...徳川幕府が仏蘭西(フランス)の士官を招聘(しょうへい)して練習させた歩兵の服装――陣笠(じんがさ)に筒袖(つつそで)の打割羽織(ぶっさきばおり)...
永井荷風 「銀座」
...赤い総(ふさ)のついた陣笠(じんがさ)のようなものを冠っていた姿は...
永井荷風 「十九の秋」
...陣笠をかぶり馬乗袴を穿(は)いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...がんりきの百が、斯様(かよう)に、柳の木の蔭で身体を平べったくしているとは知らず、その前へ順々に歩んで来たのは、陣笠をかぶり、打割羽織(ぶっさきばおり)を着、御用提灯をさげた都合五人の者でありまして、これはこのたび出来た、非常大差配の下に任命された小差配の連中に違いありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...その他芸子や酌女は、片っぱしから食い放題、町の中で、いい女と見たら誰彼の用捨無しという親玉だあ」この連中、かりにも、陣笠、打割羽織、御用提灯の身として、口が軽過ぎるのも変だが、こんな話を、他ならぬがんりきの百の野郎なんぞに聞かしてよいものか、悪いものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...今になって、思い出したのは、あの御用提灯と、陣笠と、打割羽織(ぶっさきばおり)の見まわりだが、あの見廻りのお上役人だか、土地の世話役だかわからねえが、おいらの眼と鼻の先で、乙なことを言って聞かしてくれたっけなあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...また以前と同様な陣笠...
中里介山 「大菩薩峠」
...五年も六年も突(つ)ついている陣笠連(じんがされん)とは歩調を一にしたくないからこう云うのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...陣笠を被つて槍を持つた男が矢庭に私の胸倉を取て二階に客が有るに相違ない...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...三つ葉葵の定紋を打った陣笠の裏金に滑って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...将軍は藤色の陣羽織に金紋漆塗の陣笠...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...陣笠のように柄がないので形がこの笠にはあたらない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...裏金の陣笠を被って出かけた...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...陣笠(じんがさ)も具足(ぐそく)も...
吉川英治 「神州天馬侠」
...陣笠、槍の先など、垣越しに見せて誘い合わせながら、もうわらわらと駈けて行くのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...兵士の陣笠をかかえて...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索