...一生陣笠で終るものもあろう...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...陣笠をあおむけたような葉がま夏の日光を湛(たた)えかねてゆらゆらとゆれている...
中勘助 「妹の死」
...例の通り筒袖の羽織に陣笠をいただいた駒井能登守でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...五十三陣笠、御用提灯、打割羽織というけれども、本来これらの連中は、生れついてのお役人の端くれではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...また以前と同様な陣笠...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれには物置にある陣笠(じんがさ)をかぶれと云うかも知れない」「ホホホホ兄さんは随分口が達者ね」「達者なのは口だけか...
夏目漱石 「虞美人草」
...三つ葉葵(あふひ)の定紋を打つた陣笠の裏金に滑つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...裏金の陣笠を夕陽に輝やかせ...
野村胡堂 「礫心中」
...細雨を凌(しの)ぐ陣笠...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...九曜の星の定紋のついた陣笠がおいてあった...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...親分は君を陣笠で置くつもりはないんじゃよ...
火野葦平 「花と龍」
...そんな扇が槍や陣笠や弓矢などがかゝげてある欄間の長押に仰々しく拡げて額になつてゐた...
牧野信一 「籔のほとり」
...裏金の陣笠を被って出かけた...
三田村鳶魚 「話に聞いた近藤勇」
...黒の陣笠(じんがさ)をまぶかにかぶって...
吉川英治 「神州天馬侠」
...一ようの陣笠(じんがさ)小具足(こぐそく)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「――あんな物、いっそのこと薪(まき)にして焚(た)いてしもうたら、胸が癒(い)えように」納屋の壁を仰ぐと、真っ黒な樫柄(かしえ)の槍と、陣笠と、切れ端のような古具足とが、吊(つる)してあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...陣笠、槍の先など、垣越しに見せて誘い合わせながら、もうわらわらと駈けて行くのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...佐渡の陣笠の裡(うち)を見上げた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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