...陣笠の誰彼が寄つて集(たか)つて...
薄田泣菫 「茶話」
...だん袋を履(は)いて、陣笠をかむり、兵児帯(へこおび)に、刀を差して、肩から白い包を背負った兵であった...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...その他芸子や酌女は、片っぱしから食い放題、町の中で、いい女と見たら誰彼の用捨無しという親玉だあ」この連中、かりにも、陣笠、打割羽織、御用提灯の身として、口が軽過ぎるのも変だが、こんな話を、他ならぬがんりきの百の野郎なんぞに聞かしてよいものか、悪いものか...
中里介山 「大菩薩峠」
...陣笠(じんがさ)に立葵(たちあおい)の紋の付いたぶっ割(さ)き羽織でも着なくっちゃ納まりの付かない紐だ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...微行とは言っても、三万八千石の大名の御曹司で出雲守と任官している位ですから、裏金の陣笠、地味ではあるが緞子(どんす)の野袴(のばかま)、金銀の飾目立たぬほどにこしらえた両刀など、さすがに尋常ならぬものがあります...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...三つ葉葵の定紋を打った陣笠の裏金に滑って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...裏金の陣笠を夕陽に輝やかせ...
野村胡堂 「礫心中」
...養父の与惣兵衛は、陣笠以下の、名もなき並び議員のくせに、いわれのない事大思想にとりつかれて、政界の大立物ででもあるかのような錯覚をおこし、刺客の急襲を恐れて、しょっちゅう、ビクビクしていた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...親分は君を陣笠で置くつもりはないんじゃよ...
火野葦平 「花と龍」
...ソコで大小も陣笠(じんがさ)も一切(いっさい)の物はヴエンリートの家に預(あず)けて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...置き忘れた陣笠が川口に浮ぶくらいは我慢も出来た...
本庄陸男 「石狩川」
...おもちゃのように小さい先方の人間が陣笠をふりだした...
本庄陸男 「石狩川」
...長押の上には大昔の薙刀や槍や陣笠などがならべてある古めかしい家の長男であり...
牧野信一 「西部劇通信」
...陣笠(じんがさ)の兵たちも...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いきなり四郎右衛門の膝にある陣笠の中へ手を伸ばして...
吉川英治 「新書太閤記」
...動かずにいた佐渡の陣笠が...
吉川英治 「宮本武蔵」
...試(ため)し物目録一陣笠(じんがさ)...
吉川英治 「山浦清麿」
...陣笠、鹿角、古兜...
吉川英治 「山浦清麿」
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