...明治十二三年頃買って其の儘(まま)用い来ったという陣笠のような猟帽を頭へ戴いて...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...一生陣笠で終るものもあろう...
丘浅次郎 「人間生活の矛盾」
...其処に二疋の馬がいて傍に陣笠を冠った旅装束の武士が二人立ち...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...裏金の陣笠(じんがさ)をもらって...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...そして草を揺がして、陣笠が、肩が――和田が、小走りに戻って来た...
直木三十五 「南国太平記」
...二人とも同じような陣笠を被(かぶ)って...
中里介山 「大菩薩峠」
...五年も六年も突(つ)ついている陣笠連(じんがされん)とは歩調を一にしたくないからこう云うのであります...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...三つ葉葵(あふひ)の定紋を打つた陣笠の裏金に滑つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ソコで大小も陣笠(じんがさ)も一切(いっさい)の物はヴエンリートの家に預(あず)けて...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...置き忘れた陣笠が川口に浮ぶくらいは我慢も出来た...
本庄陸男 「石狩川」
...長押の上には大昔の薙刀や槍や陣笠などがならべてある古めかしい家の長男であり...
牧野信一 「西部劇通信」
...陣笠のように柄がないので形がこの笠にはあたらない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...陣笠(じんがさ)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「――あんな物、いっそのこと薪(まき)にして焚(た)いてしもうたら、胸が癒(い)えように」納屋の壁を仰ぐと、真っ黒な樫柄(かしえ)の槍と、陣笠と、切れ端のような古具足とが、吊(つる)してあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...陣笠、槍の先など、垣越しに見せて誘い合わせながら、もうわらわらと駈けて行くのだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いきなり四郎右衛門の膝にある陣笠の中へ手を伸ばして...
吉川英治 「新書太閤記」
...二頭には陣笠、羅紗羽織(らしゃばおり)を着て、羽織の上から白襷(しろだすき)をかけ、くくり袴(ばかま)に草鞋(わらじ)ばきであった...
吉川英治 「松のや露八」
...菅笠、陣笠、布(ぬの)笠など、汗にまみれた武士や足軽が叱咤(しった)して、牛と人足とを励ましてくるのである...
吉川英治 「山浦清麿」
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