...御台所まかなひし侍る横田と云(いひ)し者、院主へ米五石御かし候へと申ければ、此山はむかしよりさやうのたくはへは多くし侍らず、坂本よりつゞけ候へば、無レ之よし被レ申(まうされて)、不レ応二其求(そのもとめにおうぜず)一、然間(しかるあひだ)糧(かて)つきて其夜供の人々うへにつかれ、横田を各(おの/\)悪口しければ、己が過を補はんためにや有けむ、院主不レ届よし、さん/″\にのゝしりければ、秀次ほの聞給ふて、此山の自滅の時来たるよなど、其悪(にくし)みふかゝりしなりと...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...これ等の文章を初めて載せた諸雑誌の編集者と出版を快諾して呉れた鉄塔書院主とへ謝意を表する...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...あの院主を叩いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ごらんの通りの盲目の身、東夷東条の安房の国、清澄の山を出でてより幾年月、世を渡るたつきとしては一面の琵琶、覚束ない音締(ねじめ)に今日まで通して来たが、琵琶は最後の思い出に竹生島の明神へ奉納し、わが身は山科の光仙林にしばらく杖をとどめていたが、山科よりは程遠からぬところ、ここは大日本の魚山として聞えたる大原の来迎院こそは声明の根本道場と聞くからに、ここで修行をさせていただきたい、奥義(おうぎ)というもおこがましいが、見えぬ世界を見んとする不具者の欣求心(ごんぐしん)に御憐憫(ごれんびん)を下されたい、入門の儀、ひたすらに御紹介を頼み入ると、これは例のほしいままなる広長舌を弄(ろう)することなく、極めて簡単明瞭に来意の要領を、まず声明(しょうみょう)の博士に向って披瀝(ひれき)しますと、博士はその志を諒なりとして、院主上人に向ってその希望を通じましたところ、院主上人は、また弁信の志を憐んで、これに対面して次のように申しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その時の院主僧都円長も最初のわしの師範であった美作の観覚得業も弟子になり皆自分の師範であった人が源空を戒師として弟子となった中にも...
中里介山 「法然行伝」
...吉江氏とはまだ不幸辱知の榮を得ないが武井眞澂畫伯は年來尊敬する高士であるから院主の需に應じて...
藤原咲平 「山岳美觀」
...同院主は拙家続合(つゞきあひ)にて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...恐らくは唯(たゞ)昌林院主一人あるのみであらう...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...駿河台の今の明治大学の所にあった樫村清徳という病院主の夫人で...
柳田国男 「故郷七十年」
...院主は梅花堂の心易(しんえき)をよくする者で...
吉川英治 「剣難女難」
...ここの院主との旧縁で...
吉川英治 「私本太平記」
...院主(いんじゅ)がお相伴(しょうばん)に坐り...
吉川英治 「私本太平記」
...ここの院主行祐(ぎょうゆう)が...
吉川英治 「新書太閤記」
...院主(いんず)の大師以下...
吉川英治 「新・水滸伝」
...院主(いんず)につたえた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...院主が留守でございますので...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...院主や阿闍梨(あじゃり)たちにも...
吉川英治 「親鸞」
...奈良興福寺の一乗院主であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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