...とんだお邪魔をしました」薊は身を飜(ひるがえ)して降り口へ出る...
伊藤左千夫 「春の潮」
...沢山の支那人が降り口に押し合っていて年寄りの私などなかなか降りることが出来そうもない...
上村松園 「余齢初旅」
...山野夫人は坂の降り口の所で...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...若夫人が地下室の降り口から声をかけた...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...少し煙に卷かれて段梯子の降り口まで見送つて行つて長い體を突立つたまゝ「頼むとすれば二三日内に歸京(かへ)らう」と言ふ...
高濱虚子 「俳諧師」
...坂の降り口にあるお寺の石垣に沿うて左へ曲って往った...
田中貢太郎 「黄燈」
...階段の降り口から声をかけて二階へ呼んだ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...葉子は階段の降り口を偸(ぬす)むようにして...
徳田秋声 「仮装人物」
...梯子段の降り口にかかりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...向うの降り口を鍵の手に廻り...
中里介山 「大菩薩峠」
...辛うじて降り口が見つかる...
中谷宇吉郎 「大雪山二題」
...机の前を離れてそつと階段の降り口に忍び寄り...
牧野信一 「晩秋」
...下で、階段の降り口で、例の瀟洒たる黒服の紳士が彼を待ち受けていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...御ゆるりと」敷居のところへ片手をついてこう辞儀をすると梯子段の降り口の唐紙をぴたりと閉めて下った...
矢田津世子 「神楽坂」
...その降り口の交番の巡査がその女に敬礼をしたから...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...二階の降り口から下の者へ...
吉川英治 「江戸三国志」
...降り口に梯子をかけさせて...
吉川英治 「三国志」
...武蔵が立って縁の降り口へ歩み出したので...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索