...我が半生に於ける最大の安慰(ゐせき)と幸福とを与へたりしかの陋苦(むさくる)しき四畳半が...
石川啄木 「閑天地」
...生活上からは凡人も卑(いや)しとする陋劣(ろうれつ)な行動もせねばならぬ...
伊藤左千夫 「去年」
...また旧来の陋習(ろうしゅう)を除いて天地の公道に基づけとある...
大隈重信 「吾人の文明運動」
...おだやかにつつましく陋巷(ろうこう)に生きる人生も悪くはないと思うが...
高見順 「いやな感じ」
...富貴も驕奢に流れず貧賤も鄙陋(ひろう)に陥らず...
太宰治 「不審庵」
...「出て下さい……スグに出て! 紳士のくせに鍵を破ってはいって来るなんて! 何という見下げ果てた!陋劣(ろうれつ)な……」舌打ちしながら妻は両手で飛び付くように呼鈴を押した...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...上記の固陋の思想は...
津田左右吉 「日本歴史の研究に於ける科学的態度」
...彼は新らしきものに對する固陋な憎惡を持たない」が...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...極端な陋劣な行動に出るだろう...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...シュマン・ヴェールの小橋やユルポアの陋屋(ろうおく)を夜の住居とするのは...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...さうして人一倍の陋劣な行為を敢てしたのである...
長塚節 「隣室の客」
...いたずらに自尊の念と固陋(ころう)の見(けん)を綯(よ)り合せたるごとき没分暁(ぼつぶんぎょう)の鞭(むち)を振って学生を精根のつづく限りたたいたなら...
夏目漱石 「作物の批評」
...学問の根底たる立脚地を離るるのを深く陋劣(ろうれつ)と心得た...
夏目漱石 「野分」
...玄関の前に井戸のある私の陋屋(ろうおく)に時々おとずれて面白い話をしてゆかれた...
林芙美子 「落合町山川記」
...陋態(ろうたい)を極めて居たんだ...
二葉亭四迷 「予が半生の懺悔」
...貰ひものなれども余の陋室に灯す術もなからむ...
牧野信一 「サフランの花」
...しかし旧態依然たる陋習(ろうしゅう)を株守している人々が世間に多く...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...故にその句俗陋(ぞくろう)なり...
正岡子規 「俳諧大要」
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