...外面道徳の專權は人を野卑陋劣にする...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...之即ち前内閣系の野心家が現内閣の生命を議會閉會後まで延ばし置かんとする第一の原因にして敵をして此一難局を處理せしめ然る後に己れ取つて代らんとする心事稍陋とすべし...
石川啄木 「雲間寸觀」
...そろって三鷹の陋屋(ろうおく)へ訪ねて来られた...
太宰治 「故郷」
...この三鷹(みたか)の陋屋(ろうおく)にやって来ることになっていたので...
太宰治 「酒ぎらい」
...陋巷の中にその一生を終らうとは――?四Nは丘の上へと行つた...
田山録弥 「路傍の小草」
...それは蜃気楼だ、陋劣な空想だ、穢らわしいロマンチックな夢だ、――例のコモ湖畔の舞踏会と変わりはありゃしない...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...識者は唯だ其淺陋を憫笑するのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...醜陋唾棄す可きもの...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...母上丸の内所用の帰途なりとて陋屋に立寄らる...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...然るに血気盛りの学生たるもの猶学校の空位空聞に恋々たる其の心事の陋劣にして其思想の旧套(きゅうとう)陳腐を脱せざる事真に憫笑すべきなり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...頭から外国人を盗人に見てかかるの陋(ろう)を笑い...
中里介山 「大菩薩峠」
...幾千万人が等しく失敗した陋策(ろうさく)である...
夏目漱石 「虞美人草」
...陋居(ろうきょ)の主人をかこんでお仲間の少壮文人たちが三五人(さんごにん)談話の最中で...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...玄関の前に井戸のある私の陋屋(ろうおく)に時々おとずれて面白い話をしてゆかれた...
林芙美子 「落合町山川記」
...騙討ち同様にセント・ヘレナへ連れて行ったトーリ党の陋劣なやり方を猛烈に攻撃したものだったが...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...しかれども赤貧洗うがごとく常に陋屋(ろうおく)の中に住んで世と容(い)れず...
正岡子規 「曙覧の歌」
...ぬけめない陋劣さで活躍していることも...
宮本百合子 「現代の主題」
...ために陋巷に窮死したと伝えられる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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