...阿部に至りては、烈公の実に政治的大要素なるを看取したり、而(しこう)して実に幕政の前途に横わる厄介物(やっかいもの)なるを看取したり...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...阿部眞琴氏等その他澤山の友人知人に世話になつたが...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...つみびとの歌阿部六郎にわが生は...
中原中也 「山羊の歌」
...阿部豊後守(あべぶんごのかみ)をはじめ若年寄りから町奉行神尾備前守(かみおびぜんのかみ)にいたる面々...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...松浦侯の三ツ星(ぼし)の家紋のついた幕舎の床几に、老中阿部対馬、牧野内匠頭(たくみのかみ)、堀内加賀、目付兼松五郎左衛門、松浦侯などがいた...
久生十蘭 「ひどい煙」
...細川忠利と家臣阿部彌一右衛門との間にある永年の感情的なしこりが...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...阿部権兵衛が助命のことを折りがあったら言上しようと思ったが...
森鴎外 「阿部一族」
...阿部の屋敷へ討手の向う前晩になった...
森鴎外 「阿部一族」
...椶軒(そうけん)阿部侯正精の此十六字を書した幅が分家伊沢に伝はつてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒は此年文政六年に阿部正精(まさきよ)に代つて「刻弘安本孝経跋」を草した...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」阿部主計頭(かぞへのかみ)は即ち棕軒侯正精(まさきよ)である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...伊沢氏では此時阿部正弘が家臣の恩を受けたのを謝するために...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...就中(なかんづく)人参は阿部侯の命を奉じて栽ゑたのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...十月九日に棠軒は又阿部正教(まさのり)の奥医師にせられた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...」わたくしは前に棠軒の女長は阿部家の奥に勤めてゐるらしいと云つたが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...阿部家の奥女中が目を見合せて笑った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...「庄さんがお婿さんになったんですって」おせんは半ばうわのそらで訊き返した、「――頭梁って、阿部川町の、住込みだっていうあの頭梁の家ですか」「そうなんですってよ、頭梁ってひとが庄吉さんの腕にすっかり惚れこんだんですって、お加代(かよ)っていう娘さんも庄吉さんが好きだったって話でね」おせんはちょっと立停った...
山本周五郎 「柳橋物語」
...そんな阿部傳説が世間に擴がりますと...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索